見出し画像

【決算】ピンドュオドュオ(PDD)FY23Q4

中国EC大手のピンドュオドュオが決算発表しました。

【概要】
⭕️EPS  17.32人民元vs 予想11.28人民元
⭕️売上高 888.8億人民元 vs 予想795.3億人民元
売上高成長率+123% 

オンラインマーケティングサービスなどからの収益は486億7,560万人民元(68億5,580万米ドル)で、2022年同四半期の310億2,340万人民元から57%増加しました。
トランザクションサービスからの収益は402億540万人民元(56億6,280万米ドル)で、2022年同四半期の87億9,660万人民元から357%増加しました。

【企業概要】
ピンドュオドュオ(PDD)はアリババ、JDに次ぐ中国第3位のEC企業です。格安eコマースアプリの「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」とその海外版の「Temu」を運営しています。22年にローンチされたTemuは、主に中国から仕入れた低価格の商品を取り揃え、瞬く間に米国でも人気のeコマースアプリになりました。このアプリは23年に、フランス、ドイツ、イタリアに進出しました。

PDDのビジネスモデルは、主に「ソーシャル共同購買」と「Consumer to Manufacturer(C2M、受注生産)」の組み合わせに基づいています。このモデルは、ソーシャルメディアを通じたバイラルな集客と、消費者のデータに基づいた商品企画や直販を可能にするC2Mにより、低コストで高品質の商品を提供することができるという特徴があります。

具体的には、以下のような特徴があります:

  • バイラル型集客:ユーザーが友人や家族を通じて商品を共同購入(まとめ買い)することで、商品が安くなる仕組みを利用しています。これにより、ユーザーは自然と商品をシェアし、新しい顧客を招くバイラル効果を生み出します。

  • C2Mモデル:消費者の需要に応じて製造されるため、在庫コストや流通コストが削減され、結果として消費者に安価で質の高い商品を提供することが可能になります。

また、PDDは地方の低所得者層をターゲットにしており、都市部に集中していた他の大手ECプラットフォームとは異なる市場を開拓しています。この戦略により、PDDは急速に成長し、多くのユーザーを獲得しています。

〈所感〉
良い決算でした。売上高成長率は前々回が+66%、前回決算が+94%、今回は+123%と加速しています。PDDは近年の物価高に苦しむ低所得者層に刺さるビジネスモデルだと思います。しかし、この企業は中国企業であるため、Tiktokのように米国からの圧力を受けるリスクがあります。また、近年の中国は自国のハイテク企業に対する厳しい対応が目立ち、PDDに対しても何らかの制裁が飛んでくるリスクもあります。決算は申し分ないものであり、成長率も極めて高い銘柄ですが、カントリーリスクが高すぎるため、僕は投資を見送りたいと思います。

【決算リリース】
PDDホールディングスの会長兼共同最高経営責任者(CEO)のライ・チェン氏は、「2023年は、当社が高品質の発展に向けて移行する中で、当社の歴史の中で極めて重要な章となる」と述べた。「2024年も、私たちは消費者エクスペリエンスをさらに向上させ、技術革新を強化し、コミュニティにプラスの影響を生み出すことに引き続き専念します。」

PDDホールディングスのエグゼクティブディレクター兼共同最高経営責任者であるJiazhen Zhao氏は、「第4四半期には、消費者心理の刺激を受けて需要が拡大した」と述べた。「私たちは高品質の開発戦略を継続し、優れた価値と優れたサービスを提供することに専念し、すべての人に利益をもたらす繁栄したコミュニティを構築し続けます。」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?