表現としての株式会社「机上の空論」

会社を登記したんですけど、社名は本当に「机上の空論」です。

架空の存在という候補もありました。

でも机上の空論という会社が「架空の存在」というお店を開いたほうが面白いかなと思って、会社名は机上の空論になりました。

もともと、とても変わったレイアウトの手帳を作っていて、個人事業という形で販売していたけれどそこそこ売れ行きが見込めるのと、法人じゃないと取引してくれない大手小売店さんの対応も含めて、今年の6月に法人化しました。

でも、会社としての存在意義になにかこうしっくり来ておらず、ビジネスとしては商品ブランドで動いているし、いろいろ乖離しているなと自分でも思っていたのですが。

新しく商品が広がる、というか、いろいろやっていて新しい世界が開けてきて、自分がやっているのは「ビジネスという表現方法」なわけで、じゃあそれをもっと本筋として持ってもいいのかなと思うようになってきました。

ちゃんとした会社にしてイグジット、みたいな起業ベンチャー業界にありがちな流れを踏襲するのがよい方法かもしれないと思ったことはあったけれど、どうにもしっくりこない。
ビジネスを大きくすることに違和感はないけれど、上場して株主のために商売をするのは目標にはならない。
なんのための会社なのか、なんのためのビジネスなのか。

そういうことを考えていくと、やっぱり「表現としての」という場所が最もしっくりくる気がした。

表現のスタイルとしての株式会社。

ええんでない?

画家、とか。作家とか。お笑い芸人とかバンドとかと、同列に、株式会社
「私、将来株式会社やるの!」
「そんな事いって、簡単なことじゃないんだぞ!」
「わかってる、でも夢なの!」
社長、ではないのですよ。株式会社。

納得した。自分に。

私は比較的優等生の真面目ちゃんで生きてきたので、正しいルートを探してしまう。でも学歴とか経済力とか、そういう部分でたくさん弾き飛ばされる経験をして、「あ、正しいルートっていうのは単純にお仲間同士と儲ける話だけをしている狭い世界なんだな、そのルートに乗るっていうのはそこの人たちのために尽くせよってことなんだな。……断る!」となったので、荒野を突き進むことになった。
それなのに、正しいルートである法人化をしてしまったので、なんだか落ち着かなかったのですよね。
でも、それは単に表現方法なんだと。
わたしの表現方法はそれなんだと。
絵も描けない、サイトも作れないけど、できる事があって、それなりに結果も出せているのは、表現方法のひとつなんだなと。
既存の概念にはない方法かもしれないけれど。

アーティスト名「株式会社机上の空論」

これで、自分にも見知らぬ人にも納得がいく看板ができた。
表現としての株式会社、アーティストとしての株式会社机上の空論。

これで全員に不思議な顔をされずに説明ができるようになりました。

主な活動ですが、引き続きメイン事業の手帳の製作と販売および関連商品の開発販売、SNSでの表現。
そしてまだクローズドでしかやっていませんが、毎月の売上公開と今後のビジョンを発表する、通称「エアIR」。

来年はジュエリー展「彼女はお金の使い方を間違えている」を開催予定。
(考えていたらあまりに楽しくなってしまったのでやることにした)

「もともとメディアアーティストの一種だなと思っていました」と言われましたが、メディアアーティストってなんだろう。
表現という意味で、これから株式会社という法人格を使っていくというのはとってもしっくりきているので、これからも楽しく表現し続けていきたいと思います。

つよく生きていきたい。