ニッチだったのにうまくいかない理由
ビジネスを始めるときによくある都市伝説がありまして。
1.在庫を持たないビジネスをする
2.ニッチを抑えてトップシェアをおさえる
3.物語のある商品
4.消費者の声との双方向コミュニケーション
5.消費者の声を商品に反映させる
and so on ……
ワタシコレ 都市伝説 ダトオモテル
ダテコレ ドレモ結果論
在庫を持たないビジネスって、たぶんホリエモン先生がおっしゃったことが長引いているんじゃないかと思われるけれど、これについては、在庫を保管するコストと在庫がないサービスが利益を出すまでのコストを冷静に比べた時に、意外に在庫を保管するコストのほうが安上がりだったりしない?という事を考えている。
で、ニッチをおさえてトップシェアをっていう話だけど。
これは、実はすごーーーくすごーーーーく難しいと思うんだ。
まずね、お金を生み出す市場かどうか。ニッチであることは間違いないけど、そこにお金を生み出す要素があるかっていう部分をもう少し考えて、単純に「あ、これほかの人やってないから、ニッチ!ニッチ認定!やべえ儲かる!!!」という思考回路は即刻破壊してください。
ニッチ=儲かる
という、刷り込みをしている人が、やっすい起業界隈に山ほどいるのが正直信じられない。
ニッチって、めっちゃ難しいです。
まず、ニッチであるせいで、お客に届かない!ニッチなせいで、お客さんにこういう商品がありますよって伝えるのにとっても大変な事になる。
お金を生み出す可能性があったとしても、ニッチ過ぎて届かない。
これがニッチの壁。
大事なのは、ニッチから始めてメジャーにいく事なのに、ニッチであることがよい、ニッチで成功したい、という変な観念に取り憑かれて、失敗する起業を最初から計画している人が山ほどいるようで、借金苦から始まった私は「そんな遊ばせる金があるなら私によこせ」と鬼のような形相をそっと笑顔でごまかす。元受付嬢でしたので、いろいろなことをすべて笑顔で誤魔化す高い技術を身につけました。
ニッチはしょせんニッチです。
ニッチから始めて、メジャーに行ったときはじめて「ニッチ」だと認められるんです。
本当のニッチは、大手の資本持っているところが社会貢献の一部として売れないけど必要なものをコツコツ作り続けているとか、本当に創業60年以上の老舗が必要だからとさほど宣伝もしないで商品を作っている、というだけのはなし。
あとから小資本の薄っぺらい起業したい坊やたちが入り込む隙は基本的に存在しない。
なので、ニッチに攻めていけば結果が出やすいという甘い気持ちで起業計画なんぞを立てるのは、あまりうまくいかない。
そもそもですよ、ニッチっていうのは最初から世界戦って事です。
すくなくとも日本には同じレベルのものはないから、試合するなら世界に出ないとダメだわレベルからスタートするのがニッチです。
最低でもそのくらいから始まります。
レベルが高いからではなくて、珍しすぎるからシード権で世界戦デビューできるくらいのところを狙わないとダメです。レベルの高さを競い合う場所は基本的にレッドオーシャンですから。
そんな状況のものだから、ニッチだったのにうまくいかない、というのではなく、ニッチだからうまくいかないんです。
ニッチ市場の80%は「箸にも棒にも掛からないカス」という事です。
20%くらいは残っているとは思うけど、それは起業するという中でもほんとに頭のいい人がおさえに行っています。そもそも起業したい人じゃなくて普通の商社の人とかがニッチ分野血眼で探してますからね、そこもある意味競争倍率激しいのが実情。目に見えないだけです。
そして、頭のいい、体力も知力もコミュニケーション能力もあるひとが、結果を出した上で「ニッチを狙ったのがうまくいきました」という訳です。
基本的に、ニッチは厳しい。
でも、赤潮大発生のレッドオーシャンも酸欠で即死は免れない。
じゃあどうするか。
私だったら、即死のレッドオーシャンより、可能性がないニッチに行きます。
可能性がないけど、即死はしなさそうだし。という消極的なスタイルです。
ニッチだから簡単にいけるぜワンチャンあるでなポジティブ思考は皆無。だってニッチでやったけどそんなに簡単じゃなかったもん!
比較的成功したかもしれないけど、それでも簡単ではなかったよ。
学歴も経験もないのに成功したから簡単そうに見えるかもしれないけどね。
とにかく、起業界隈にある薄っぺらい謎のコンテンツ群は、ほとんど都市伝説を垂れ流しているだけです。
それを真に受けないで、自分の目で見たものを信じる強さを持ってほしいって思う。(ああいうの書いている人起業なんかしたことない金のないサラリーマンかアホな大学生がほとんどだから)
それには、数回痛い目にあわないとダメっぽいけど、その数回で場合によっては死にますからね。
だから、あんまり怪我しないように、全否定から始めるくらいでちょうどいいと思います。
物語のある商品が売れるっていうのもね、売れてない商品にだって物語があったはずなんだよね!!!
お客さんの意見を取り入れるって、取り入れた結果売れなくてもお客さんは責任とってくれないし、収支のバランスについて全く考えていない人の意見はいいほうにも悪いほうにも転ぶからね!!!
双方向コミュニケーションなんて、さらに危険だよ。
でもここはうまく巻き込んでたくさんの人を「経過を共有する」人として転がせるなら、やる価値はあると思うけど、顧客のロイヤリティを高める為とか言って始めると大変だよ。そもそもお客さんは忠誠心なんか持ってないし、あなたは見ず知らずの人に忠誠心を差し出させるほどの器があるの?って話ですよ。
人を簡単に操作しようと思ったら、絶対あとでしっぺ返しくる。
しっぺ返しってつまりは売れないってことです。
ニッチだから成功する、なんてことはないです。
いい話の裏を読めという事ではなく、全部を否定しても残った事実を拾うと、自分でもできることが出てくるし、いろいろ売上を作ることもできると思います。
物事にはバランスってものがありますが、そのバランスを考えるときに「自分の重さ」を考えられない人は失敗します。人から言われた美味しい情報に飛びつくと、自分の重さ=自分のできる事を無視してしまう事が増え、結局情報元に金を巻き上げられて終り。
自分ができる事が、すべて。
美味しいニッチ市場を見つけても自分がなにもできなければ指をくわえてみているだけで終わるのですから。
都市伝説に惑わされないでください。(あと都市伝説をありがたがるコンテンツを無駄に量産しないでほんと!!!)
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つよく生きていきたい。