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百田尚樹「モンスター」


前回に引き続き

百田尚樹さんのモンスターについて書きます。


今回は

簡単なあらすじとともに

私が感じたことを

ガチ本音で話してみようと思います。



※この本には過激な描写が含まれていますので、

苦手な方はご注意ください。



では、あらすじいきますね。


(ネタばれ含んでしまうので見たくない方は飛ばしてください)



  あらすじ


モンスターと呼ばれるほどの

醜い容姿に生まれた主人公和子は

幼少時から周りや親からですら

虐げられて育つ。


そんな和子も思春期になって

恋をした。


相手は学年の人気者の男子生徒英介。


実は、幼い時

英介に会ったことがあり、和子の初恋の相手でもあった。


高校で再会を果たした和子は

英介への思いを募らせていくが

ある日事件を起こしてしまう、、


英介を想うあまりに

飲み物にメチルアルコールをいれて

英介の目を潰そうとしたのだ。


幸いにも英介は無事であったが、

和子は生まれ故郷を追い出され

上京することになる。


そのあと和子は短大を卒業し

工場に就職。


しかし、どこにいっても

周りから理不尽な扱いを受ける和子は

あるとき整形をすることを決断した。


それから和子は

莫大な費用を稼ぐため、

夜の業界にも踏み入れ

何年もの間 幾度もの整形を重ねて

美女へと変貌していくのだ。


和子は努力を重ね、

ついには生まれ故郷に戻って

素性を偽り

フレンチレストランを経営するのである。


滅多にお目にかかれない美貌をもつ女オーナーの店は

あっという間に有名になっていく。


なぜ、和子はここまで頑張れたのか


それは、かつての初恋相手英介のためだ


実は和子は

探偵に英介の調査を依頼していて

今回忌まわしい思い出が残る街に戻ったのも

英介が生まれ故郷に帰るという話を

聞いたからである。



そして、ついに

和子は

英介との待ちに待った再会を果たす。


英介は美しい女に惹かれ、


2人が結ばれるのに

時間はかからなかった。


和子は

英介との恋を叶えたが、

いくつか問題が起こり始め、


和子自身にも病魔が忍び寄っていた。


そして

そのとき、は突然訪れる。



和子は英介といるときに

突然倒れ、


死期を悟った彼女は

英介に真実を告白し、あることを尋ねる。


彼の返事を聞いた彼女は、

英介の腕の中で永遠の眠りについたのだった。







  感想



前記事にも書いたように

この小説は

いろいろな視点から捉えることができます。


醜い女の子が整形をして奇麗になり、

初恋を実らせたものの

悲劇的な最後を迎える


整形や美醜をテーマにして

書いてみるのもいいのだけれど、


今回は

踏み込んで

感想を書いてみようかな。


【人間】という生き物を

俯瞰してみてみる方向で

考察を進めていきます。


あくまでも個人的な視点なので

ご了承ください。


この小説って

生死、本能、欲、快、楽、喜、非、怒、恨、悔、嫉妬】


などのいろいろな要素が詰まっているんですよね。


男女関係の、少し過激な場面もでてくるのだけど

エロさを出したいのではなく

人間の生々しさを表現したかったのかなと。


男女問題というのは

人の本能的な部分に近いですよね。


そういう人間の生々しさを

ダイレクトに感じるからこそ

ある種の恐怖を感じるんだと思う。


この小説を読むと

生々しさ、

私たち人間が

「本能をもった動物」であることを

まざまざと見せつけられている感じを

覚える。


動物だけれど、

知能をもっているがゆえに

「人間」として

うまく感情を隠したり欲を抑えたり、、

生々しさの部分を隠し、

実にうまくわたしたちは

カモフラージュして生きていってるわけ。



そういうふうに考えると、主人公の和子という女性は


非常に動物的だと

捉えることができる。


自分の欲をさらけだし、本能に忠実、

貪欲に狩りをつづけ、獲物を手にいれる

(ここでは好きな男性を手に入れるために行動)



正直、好きな男を手に入れるために

そこまでする?とも思いますが(笑)

(そこは架空の世界だからね)


狩りをするとか、子孫繁栄のためとかを考えると

本来の人間の姿ともいえますよね。


そして、和子が

長年かけて莫大なお金をかけ、

整形して美女になっていき、

レストランを経営するオーナーにまで上り詰める様子は

下剋上そのものですね。


和子のエネルギー元になったものは

初恋の人への執着に近いともいえる恋心でしたが、


そこまでいくには

やはりそういう強い動機なしでは

到達しなかったかもしれないですね


逆に

強い気持ちさえあれば

私たちは

自分が思っている以上の威力を

発することができるのかもしれません。


この部分からは

人間の可能性というものを感じました。



そして、

和子がレストランオーナーとして成功し

英介を手に入れてからラストまでの下りですね。



ここからは、

男と女の性の違いというものを

強くかんじるところかな。。


ここは難しいですね


男だからこう、女だからこうと

決めつけられないので、

敢えてここは

あまり解説しないでおこうかな。



和子というのは

結構行動力があって

男性的な部分もあるんですけど、

ひとりの男性を追い続けたり

愛を求めている部分からは

女の部分を強く感じるんですね。


ただ全ての女性がこうといっているわけではないですよ。



男性が容姿のいい女性に惹かれるのも

オスという本能の部分からくること。



男女関係は

本能が絡みこんでくるので

理性がうまく働かないことも多く、

冷静な判断ができないこともある

、、、っていえばいいのかな。


おそらく、和子は

英介のことを

冷静に見極められていないんですよね。


もしかすると

どこかで分かってはいたけれど

見て見ぬふりをしていたかもしれないという

解釈も面白そうだけどね。


多分ほかの男性のことは

冷静に見れるはずなのに

好きな人に関しては盲目になり、

愚かな判断を下してしまう。



人間の愚かな部分 が

如実にあらわれている部分でしたね。


ちょっと目を逸らしたくなってしまう

問題でもあります…



あと、和子が

両極端を経験してるという部分にも

注目してみたい



モンスターと呼ばれるほどのブス

周囲から忌まれる

貧乏、お金がない


そこから


羨まれるほどの美女

周囲からもてはやされる

経営して裕福な暮らしを手に入れる



正反対ですよね。


中途半端な変化ではなく、

両極端な違いを

和子は経験してるわけです。


なかなか

両極端を経験してる人というのは

割合的に少ないのかなと思うんですね。


そうすると、

主人公は人よりも

人間の本質というものを

理解することができたかもしれないですね。


つまり

人間というものを俯瞰してみれる。



ここまで長々と感想を書いてしまったのですが、


ここまで

人間という生き物が

生々しく書かれている小説はなかなかないので凄い。



もう少し年取ったらまた感想変わるのかなあ



実は

男性目線での感想が聞いてみたいかなあ。


男性にもいろいろな考えあると思うから、

50人ぐらいの意見集めてみたいかも。


もし良かったらコメントください(^^♪


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