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「努力」とは何か考える。


1.この記事について

・主に「なかなか仕事の成果が上がらない社会人」、「勉強をやってるのに点数が上がらないという生徒・学生」、「子供の成績が上がらない…といったことでお悩みの保護者様」などの人に向けて、塾講師での指導経験を元にして「努力とは何か」を考える記事です。
・努力するには「努力のベクトル」を定める必要がある。
・「努力のベクトル」を定め続けられ、なりたい自分を目指すことこそが「努力」であり、「努力のベクトル」を苦なく定められるものが「自分の才能がある」ものである。

2. この記事を書くに至ったきっかけ

結城の中で「これはやってよかったな」という仕事の一つに「塾講師」があります。個別指導塾で働いた経験があり、そしてこの経験の中で出会ってきた生徒たちがいたからこそ、今の自分があるのかな?と思っている次第です。
その中で一度生徒に「先生、頑張っているのに成果が出ないよ…」と受験前にすごく落ち込んでいた生徒がいたのですが、その子はちょっとやり方を変えただけで本当にびっくりするほど伸びて、私自身もびっくりしました。
その時に「いずれこの経験については書いておこう、きっと同じ悩みを抱える生徒がいるから…」と思って早数年。ようやっとまとめる機会があったのでこれを機に書きたいと思います。

3.「努力しなさい!」「もっと頑張りなさい!」が持つ言葉のあいまいさ

3.1 「もっと頑張れ!」は危険ワード

まず保護者の皆様、「もっと勉強を頑張りなさい!」って声かけを子供にしたことはありませんか? そして量はこなすもののなかなか成績に結びつかずにループする…そんなことはなかったでしょうか?
また、社会人の皆様、「もっと成果を出せ!」といわれたことはないでしょうか。私は前者のワードを塾で聞き、後者のワードは上司から言われたことがあります。
ただこれ、かなり抽象的な言葉で「どのように頑張るのか」を提示していないんですね。これではやる気もそがれますし、努力の方向性もあいまいになってしまいます。

3.2 「どのように頑張るのか」を検討するための「努力のベクトル」という概念

何かを頑張る際に、私が下記の順番で検討し、必ず明確にしていることがあります。
① できていないことの洗い出し・問題点の洗い出し・ゴールの設定(1)
② 問題点に対するアプローチ方法(やり方)の検討
③ ゴールの設定(2)
④ ゴールまでの期間の設定
まず上記をしっかりと検討するのですが、この作業のことを「努力の方向性を決める」ことから「努力のベクトル決定」と言っています。では次の章で①~④について、「中学の数学のテスト勉強」を例に挙げつつ解説したいと思います。

4.「努力のベクトル決定」の4要素

4-1. できていないこと・問題点の洗い出し・ゴール設定(1)

まず、できていないことの分析のためのデータ集めをします。
これはテストでもいいですし、手っ取り早く確認できるのは「高校の入試問題」などです。これをまず解いたり見たりして、「この問題が解けていない」や「こういったところが弱点である」ということを明確にして、「仮のゴール」を定めます。
今回は仮に「文章問題がうまく解けない(式が立てられない)」と弱点を設定し、仮のゴールを「文章問題から立式ができるようになる」と定めます。

4-2. 問題点に対するアプローチ方法(やり方)の検討

分析が終わったら、次に「どのようにして対策していくか」を考えます。
例えばですが「数学の文章問題で問題文から式の構築ができない」のに「ひたすら計算問題を解く」は正しいアプローチとは言えませんよね。
初めにお話しした「頑張りなさい!」という言葉だけではこうした正しくないアプローチをする危険性があることを頭に入れておく必要があります。
ここで例に挙げた「文章問題がうまく解けない(式が立てられない)」を考えた際に「式が立てられない」ということが問題ですので、
・「いろんなパターンの問題にあたり、立式の練習をする」
・「数式を見て、自分で問題文を想像してみる」
などの方法が考えられますね。

4-3.ゴールの設定②

ということで、今回は「文章問題をうまく解けない(式が立てられない)」という問題に対して「いろんなパターンの問題にあたり、立式の練習をする」ことを対策としてあげました。これで「どのように頑張るか」が決まるわけですが、「どの程度の量頑張るか?」が決まっていません。
そこで、例えば「1日5問ずつ立式の練習をすることで、入試問題3年分の文章問題を1問も間違えずに解けるようになる」など、具体的な量と最終的ななりたい姿をここで定めます。この「方向性」と「量」の考え方はベクトルの「向き」と「大きさ」によく似ていることから、自分は「努力のベクトル」と呼んでいるわけです。

4-4.ゴールまでの期間の設定

だらだらと頑張り続けるのは「ゴールの見えないマラソンを走る」ことと同じで非常につらいものです。そのため、「次のテストまで」など、頑張る期間を最後に決めます。そしてそのゴールまでの期間を終えたときにまた4-1の方法から再び繰り返すことで、確かな実力をつけることができると思います。

5.終わりに

社会人だと「PDCA」という言葉で上記のことを知っているかもしれません。これを教育にも応用し、子供自身ができるようになると大きく成長できると思います。
また、社会人の方は今一度「正しくプランができているか?」「努力のベクトルはあっているか?」を考えてみると、「成果」に向かうかもしれません。
そしてこの「努力のベクトル」を正しい方向に定め続けることが「努力」であると思いますし、「正しい方向に定め続けることを苦なくやることができること」こそが「才能のあること」だと私は思います。
この記事を書いていて自分もできていないところがあるので今一度反省しながら日々過ごしていこうと思います。


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