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やっぱり熊には勝てない。

自分が今いるところは、熊が見られることで有名。グリズリーベアを見るツアーがあるほど。

先日、わたしと、ウーフのホスト(現地ガイド)、宿泊客、計14人で、車で熊が出没するスポットをまわった。スポットに着いたら、車からおりて、熊を探すといったスタイル。そう。わざわざ安全な車から降りて、熊を探すのだ。


四ヶ所目。橋の下にブラックベアを発見。でも、ローカルの方々の迷惑になるため、橋では止まらず、橋を少しすぎたところに車を止めた。音を立てないように、わたしたちの姿を見られないように、橋の横の茂みに身を潜めて、熊の姿を探した。どうやら、場所を移動したらしく、元いた場所からはすでに姿を消していた。そうだよなと思いながら、橋の上から熊を探すことになった。

まだ近くにいるはず。みんなあたり見回して、先ほどの熊を探した。見当たらない。仕方がないから、橋の下に流れる川のサーモンの写真を撮ったりして楽しんだ。

黒い影、全部サーモン。恐るべし。

みんな写真を撮って、車に戻ろうとした。その時。車のすぐちかくの茂みの枝がバキバキと折れる音が聞こえた。尋常ではない音をたてている。太い枝が倒れていくのがみえる。熊だ。先を歩いていた人たちが、指をさして一点を見つめている。みんな興奮していた。距離で言ったら約8メートル。近い。近すぎる。わたしは、あまりの近さと恐怖で、熊の姿よりも、わさわさと動く木々しか見ることができずにいた。

ガイドの、みんな早く車に戻って、というかけ声と共に、雰囲気が一転し、みんな一斉に車に戻った。

え、ちょっと待って、、、わたしの車、遠い。遠すぎる、、、車までの距離より、熊との距離の方が近い。熊の姿は見えなくても、茂みの動き方で、どこにいるかわかる。いつこっちに飛び出してきてもおかしくないその茂みの動き方に、手が震えた。車に向かって走るべきか、いや、熊を前にして走り出してはいけない。じゃあこのままここで棒立ち?いや、車の中に戻るに越したことはない。万が一飛び出してきたら、体を大きく見せて何か言う?

もうわからん。ただただ怖かった。あんなに熊と遭遇した時のイメージトレーニングしてたのに。さっきまで笑ってたのに。茂みが動くのをみただけで、足がすくんだ。一か八か。

自分の車に向かって走り出した。熊が追いかけてこないことを祈りながら、まっすぐに車に向かった。車のドアをしめて、自分の手がまだ震えていることに気がついた。

冷静になったあと、ガイドさんが三ヶ所目まで携帯していた熊スプレー(三ヶ所目でトイレをしたため、腰からはずしていた)と、オノと、犬、すべてを車の中においてみんなで外に出ていたことに気づいた。、、、おおおおお。よりによって。丸裸だったわたしたち。

そして、橋の上から熊を探す前に、わたしたちがもともと熊をみようと回り込んだで待機していた茂みが、まさに十分後、熊が現れた場所だった。

自然を相手に、何が起こるか、誰も予想できない。本当に、運も大事。タイミングも大事。

命拾いした。でもさ。みんな熊の姿を目の当たりにしたのに、わたしは茂みの動きしか見ることができなかった。橋の上からみたその日の一枚がこれ。残りの時間で、もっと近づいて熊を見たい。もちろん、安全に。

熊が歩いて、茂みが動いただけで腰を抜かしそうになったわたし。この日までは、熊に遭遇したら、鼻と目、どっちをアタックしたほうがいいかなんて考えていたが、そんな次元ではなかった。立っていられない絶対。そう確信した1日でした。最高にハラハラしました。

しばらくは犬も馬もちょっと怖いです。

おやすみなさい。

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