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Whitesnake「Slide It In」(1984)

コージー・パウエルとデヴィッド・カヴァデールの白熱の名演

80年代のハードロック界を振り返ると、個人的に忘れられないアーチストがコージー・パウエルです。別名「渡り鳥」とも言われる位、多くのバンドを渡り歩いていたプロフェッショナル・ドラマーですね。
彼のパワフルなドラミングとスティック捌き、とくにシンバルワークはホントかっこよかったですし、かなり自分のプレイも影響を受けました(といってもそれほど私は上手くないドラマーでしたが…)。
ジェフ・ベック・グループ、レインボー、MSGとスーパーバンドを渡り歩き、行き着いたところがデヴィッド・カヴァデール率いるホワイトスネイク。当時コージー参加のホワイトスネイクにはゾクゾクさせられましたね~。
そして世紀の名盤、「Slide It In」が発表されます。どうです。このジャケット。気品すら漂ってきますね。コージー参加の作品はMSGの「飛翔伝説 MSG 武道館ライヴ」と同じくらい大好きな作品です。

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レコーディングメンバーはデヴィッドにコージー、メル・ギャレー(g)、コリン・ホッジキンソン(b)、ミッキー・ムーディー(g)、ジョン・ロード(Key)。USバージョンはミッキー、コリンに代わり、ジョン・サイクス、ニール・マーレイが参加したものですが、私はこちらのオリジナルバージョンをよく聴いておりました。

①「Gambler」にはコージー独特のグルーヴ感が漂ってます。このイントロ、本作が他と何か違うと感じさせる実にスリリングなオープニングナンバーです。

そして最高にロックしている②「Slide It In」。とにかく大好きです。これぞハードロック、デイヴィッドのソウルフルなヴォーカルが炸裂、もちろんコージーのヘビーなバスドラとスネアが煽りまくります。但し、歌詞は相当セクシャルなものなんですが…(苦笑)。
この作品に限らず、本作のライティングの中心メンバーは新ギタリストのメル・ギャレー。デイヴィッドは彼のソングライティングセンスをかってグループに引き入れたのですが、結局メルは骨折のため戦線離脱してしまいます(一説にはデイヴィッドと喧嘩して骨折したとも伝えられてます)。

そのメルのソングライティングセンスは曲を聴き進めるにしたがって、感動すら覚えてきます。③「Standing In The Shadow」のポップさ。④「Give Me More Time」のブルージーながらもポップなところ。これらは楽曲のクオリティも素晴らしいですが、デヴィッドのソウルフルなヴォーカルが渋いロックに仕立てていると思われます。
そして⑤「Love Ain't No Stranger」へ・・・。静と動が見事なコントラストを描く、ハードロックの名曲ですね~。

ブルージーなイントロ。セクシーなデイヴィッドのヴォーカル・・・。興奮は⑥「Slow An' Easy」で極限に達します。この当時のホワイトスネイクが持つ、保守本流の正統派ハードロック。レッド・ツェッペリンの模倣と言われても、かっこいいものはいい。
この曲こそ、コージー・パウエルのドラミングが映える最高の1曲と断言できます。この曲を知らない方は何も言わずに下の映像をご覧下さい。

どうですか~。コージーの派手なドラミング。かっこいいですね~。
あとギターにはジョン・サイクス。そしてベースはニール・マーレイ。このライブ映像は、ホワイトスネイクの黄金期のメンバーです。この後、結局は渡り鳥コージーは脱退してしまうのですが、この映像を見る限り、ホワイトスネイクにぴったりだと思ったのですが・・・。

YouTubeでホワイトスネイクの映像をチェックしていたところ、ホワイトスネイク在籍時のコージーのドラムソロ映像を発見。しかもあのホルストの「惑星」を用いた非常にスリリングなもの(1分過ぎから)。
ちょっと音圧が低いのですが、なぜコージーがあれほどアマチュアドラマーの憧れの的となったのか、これを見ていただければ一目瞭然と思われます。

久しぶりに熱くなってしまいました…。
ホワイトスネイクの次作はご存知1987年発表の大ヒット作「WS1987:サーペンス・アルバム」。「Here I Go Again」が大ヒットしましたね。でも商業的な感じは否めません。
やっぱりギリギリブルース感を漂わせていた本作、そしてコージーが参加した唯一の本作が、個人的にはホワイトスネイクのベストだと確信しております。いや~、かっこいい!

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