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Colin Blunstone「One Year」(1971)

ゾンビーズの「Odessey and Oracle」の素晴らしさに気付き、そして必然と本作に行きついたのはもう20年近く前のこと。
発表から30年以上経っていた当時でも、どの推奨コメントにも「一人で聞きたくなるアルバム」とあるし、ピチカートファイブの小西氏もライナーノーツのなかで「なるべく独りで聴くことをお勧めする」とありましたが、一聴して納得。ビートルズの「イエスタディ」のように、バックが四重奏のみの曲もあり、非常に美しいアルバム。密かな名盤と感じました。

①「She Loves The Way They Love Her」はゾンビーズの曲でもあるので、ゾンビーズから入った方なら違和感はありません。

ところが③「Smokey Day」でびっくり。組曲的編曲で弦楽四重奏が美しいんですよね…。そして内省的です。

③④と聴くに連れて『ケニー・ランキン』を連想してしまいました。ケニーランキンも編曲がうまいアーチストです(ビートルズの曲を違う解釈で演奏していたりする)。そして⑥「Mary Won't You Warm My Bed」は軽快なソフトロック。

⑦~⑩は再度弦楽四重奏が美しい。⑦「Her Song」の出だしはハーパース・ビザールの「Look to the Rainbow」に似ていますが、本当に似ているのは出だしだけ。こちらは感傷的な曲です。

⑩「Say You Don't Mind」はデニー・レイン作。弦楽四重奏をバックにコリンが歌い上げます。ライブ映像がありましたのでアップしておきます。

「One Year」。これはゾンビーズを脱退し、保険の外交もやっていた時期、『僕の一年間の物語だ。物事を突きつめ、新しく一から出直す時期だった。』とコリンは語っています。それだけ重みのあるアルバム。アルバムを通して聞きたくなります。




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