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Steely Dan「Pretzel Logic」(1974)
スティーリー・ダンというと圧倒的に「Aja」が有名ですが、私はバンドサウンドが楽しめる本作も結構好きだったりします。
スティーリー・ダンの1974年発表の3作目。既にバンドとしての形態は形骸化しており、ドナルド・フェイゲン&ウォルター・ベッカーのプロジェクトと言ってもいいかもしれません。
本作には「Aja」のような独特なクールな世界観が垣間見られる楽曲もありますが、総じてアルバムとしての統一感は乏しく、むしろ様々な楽曲を詰め込んだ作品集としての色彩が強いように思います。
私の所有しているCDには、どの楽曲にどのプレイヤーが演奏しているのか、詳細なクレジットがないのですが、ゲストにWilton Felder、Victor Feldman、Jim Gordon、Michael Omartian、David Paich、Jeff Porcaro、Timothy B. Schmit、Ernie Watts等が参加しております。
あまりにも有名な①「Rikki Don't Lose That Number」。怪しげなパーカッション音から始まるこの曲、スティーリー・ダンの初期の代表曲ですね。ラテンタッチのリズムをまぶした名曲です。マイケル・オマーティアンの美しいピアノ、ジム・ゴードンのパーカッシヴなドラム、そしてジェフ・バクスターのオリジナリティ溢れるギター・ソロ。どれを取っても素晴らしい。
スティーリー・ダン流のファンク・チューン、②「Night by Night」。ホーンアレンジとか、かなりドナルド・フェイゲンの趣味を反映しているような気がします。このギターはジェフ・バクスターでしょうか?終始いいリズムを刻んでますね。そしてこれも熱いギターソロが・・・。
爽やかな③「Any Major Dude Will Tell You」。初期スティーリー・ダンはこうした曲もやっていたんですね。彼等がウエストコーストロックに括られるのはこうした楽曲をやっていたからでしょう。でもコード進行は一筋縄ではいきません。このひねりがいいんですよね。
学生の頃、本作で一番好きだった曲が④「Barrytown」です。コレめちゃくちゃポップです。ひねりも分からない当時、このわかりやすい曲が大好きでした。特に ♪ In the begining・・・ ♪ のところのコーラスなんか、ウエストコーストしているなあ~と思ってしまいます。それからジェフ・バクスターのスライド・ギターなんかもいい味出してますよ。ピアノなんか聴くと、結構スワンプがかっているんですけどね。
本作で今一番のお気に入りは⑥「Parker's Band」です。①ではないんです。
このイントロの変態ギターソロ!!! これはジェフ・バクスターですよね?
それからドナルドの歌いだしのシャウト。これがいいんですね~。
この曲のダイナミズムはもちろんジムとジェフ・ポーカロのツインドラムによるところが大きいですね。凄いグルーヴ感です。
ジェフ・ポーカロが叩いている曲はこれしか知らないのですが、本作では他にどの曲を叩いているんでしょうか?全体的にはジムのドシッとしたドラムが中心のように思うのですが・・・。
ちなみにジム・ゴードン、この当時、超売れっ子ドラマーでしたね。そしてあの「いとしのレイラ」の共作者としても有名。それが彼の人生を狂わせるのですが…。
表題曲⑧「Pretzel Logic」も人気の高い1曲ですね。非常にブルージーでありながら、完全にスティーリー・ダンの世界にしてます。このクールな雰囲気なんか「Aja」に近い気もします。
ジャスやファンク、ブルースを彼等なりに租借していき、あのクールな世界観を築いていったんでしょうね。この曲を聴くと、後期スティーリー・ダンの原点を見る思いがします。
しかしこのアルバム、よく聴くとジェフ・バクスターとジム・ゴードンの名演が光りますね。これだけ素晴らしい演奏をすれば、ライヴにも出たくなります。
それに対してドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーはライヴ演奏にはあまり興味はなく、むしろ自らの世界観構築へ没頭していきます。なんだかビーチボーイズに似てますね。
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