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大滝詠一「EACH TIME」(1984)

本日は大滝詠一の日です。この日、1981年3月21日に「A LONG VACATION(ア・ロング・バケイション)」はリリースされたのでした。それを記念して…ということですね。
そして今日は大滝詠一ファーストアルバム&ナイアガラ作品のサブスク解禁日。特にファーストアルバムはじっくり聴きたかった1枚なので、楽しみですね~。

さて、今日はその大滝さんの夏の定番アルバムの登場です。
私の社会人1年目、最初に配属された支店の食堂のおばちゃんが、大滝詠一氏の叔母さんでした。よくその叔母さん、「彼は変わった子供だった」と仰っていたのが印象的です。確かにかなりの拘りがないと、ここまで個性的な音楽は出来ませんよね。

このアルバム、1981年に超売れに売れた「A LONG VACATION」の次作であり、世間一般的にも待ちに待ったアルバムだったと思います。ちょうどマイケル・ジャクソンの「スリラー」がブレイクしていた頃で、当時の私はこのアルバムの存在など全く知らず、もっぱら「スリラー」に夢中でしたが…。
こちらも全曲作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一の超名盤。

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個人的には「A LONG VACATION」ではなく、この「EACH TIME」を聴く機会が圧倒的に多いんですよね。なぜ「EACH TIME」なのか? 
実はそれは⑦「ガラス壜の中の船」というメロウな楽曲が収録されているからなんです。私は自分と同い年の菊池桃子のファンではないのですが、高校時代に毎週日曜日の夜(PM11:00~)にオンエアされていた彼女のラジオ番組をよく聴いていました。その番組のなかで、彼女がリスナーから頂いたラブストーリーを朗読するコーナーがあったのですが、その朗読のBGMが「ガラス壜の中の船」のインストヴァージョンだったんです。恥ずかしながら、その楽曲が大滝詠一御大の楽曲であることに気付いたのは、その後のことなのですが(笑)。
この曲を聴くと、妙に懐かしい気持ちになってきますね。そのインストヴァージョンがありましたのでアップしておきます。懐かしい~(どれだけの人があの放送を聴いていたんでしょうか・・・)。

もちろんこのアルバム、それだけではありません。ハープをバックにアカペラで始まるオープニングの①「魔法の瞳」からアレンジが凝ってますね。
よく聴くと、バックでいろいろな音が鳴っているんですよね。音のお遊びが程よく織り交ぜてあります。ドラムスもリズミカルなパーカッション風だし、アレンジの勝利ですね。

これぞ大滝詠一節全開の②「夏のペーパーバック」も人気の高いナンバー。この独特のメロディは一発で大滝先生のペンによるものとわかりますね。ベースラインが非常にユニークです。ベースは長岡道夫。

気持ちがウキウキしてくるようなポップスが個人的には大好きなんですが、④「恋のナックルボール」や⑥「1969年のドラッグレース」はそのような楽曲。
これら2曲を聴いていると、ホント大滝詠一の楽曲はドラムの使い方がうまいなあと思ってしまいます。リズムアレンジが効果的なんですね。
そういえば「1969年のドラッグレース」はちびまる子ちゃんの映画に使われたんですね。

これまた王道の⑧「ペパーミント・ブルー」、このサビを聴くたびに心が落ち着きます。
スペクター・サウンドの極みですね。このバックの、アコギやパーカッション、コーラスが分厚く鳴っているサウンドはロネッツやビーチボーイズを連想させます。
ブライアン・ウィルソンが作り上げたペットサウンズ直前のビーチボーイズの音・・・。古き良きアメリカン・ポップスですね~。

夏を連想させるナイアガラサウンドですが、冬をイメージしたものもあります。⑨「レイクサイド・ストーリー」はそんな1曲でしょう。
1985年に発表された企画アルバム「SNOW TIME」にも収録されてました。後にリマスター盤に収録されることになる「フィヨルドの少女」もこの企画アルバムに収録されてます。

大滝先生、結局はこれが最後のオリジナル・アルバムとなってしまいました。この後、フジテレビ系のドラマの主題歌となった「幸せな結末」「恋するふたり」…、当時、突然に新曲を発表した大滝先生の甘いポップスに感動したものです。


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