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Paul Williams「Just An Old Fashioned Love Song」(1971)

今回はジミ~なアルバムをご紹介。といっても一部の方々にとっては馴染みの深いアーチスト、ポール・ウィリアムスのセカンドアルバムです。
彼のファーストアルバム「Someday Man」も名作ですが、そのアルバム、私の大好きなジョー・オズボーン、ハル・ブレイン、ラリー・ネクテル等、ダンヒル・リズム・セクションの演奏が素晴らしく、かつ全曲ロジャー・ニコルス&ポール・ウィリアムス作という夢のような素晴らしいアルバムでした。

そしてその後ポールはカーペンターズでも有名なA&Mへ移籍。そこからの最初のアルバムが本作です。

バックを務めるのはリー・スクラー、ラス・カンケル、クレイグ・ターギーのジェームス・テイラーを支えたザ・セクションの面子と、デヴィッド・スピノザ、トム・スコット等。
バックの面子でもお分かりの通り、ファーストとはちょっと違う、実にフォーキーな味わい深いアルバムなんです。

アルバムトップはポール・ウィリアムス唯一のヒットシングル①「Waking Up Alone」。
ビルボードで最高60位を記録。ピアノをバックに静かに始まります。ザ・セクションの非常に堅実なリズム隊、そしてエンディング近くで流れる恐らくトム・スコットのサックス・・・。実に味わい深いです。

ニコルス&ウィリアムス作②「I Never Had It So Good」。
これはバーブラ・ストライザンド、クリス・クリストファーソン、ジャック・ジョーンズ等多くのアーチストにカバーされている名曲です。邦題「こんな恋って始めて」。結構素敵な詞とフォーキーなメロディに多くの方々が共感されているのでしょうね。

アルバムタイトルトラックであり、スリードッグナイトがカバーし、大ヒットを記録した⑥「An Old Fashioned Love Song」。ボードヴィル調のコミカルなアレンジを施しており、なかなか「古めかしい恋の歌」って感じがよく表れてます。

あ~、これも名曲です。⑦「Let Me Be the One」、カーペンターズのカバーで有名ですね。

このアルバム、唯一の他人の楽曲が⑧「Simple Man」。しかも作者はあのグラハム・ナッシュ。

♪ I am simple man
    And I sing a simple song ♪

恐らくこの歌詞にポール自身が共感したのでしょう。でもポール、実際は俳優もこなす器用な人(もともとは歌よりも俳優デビューが先)。ただ歌うだけのシンプルな人ではないと思うのですが(笑)。

⑩「My Love and I」はアップテンポでちょっとソウルフレイバーも感じられる楽曲。クレイグのピアノがリズミカルでいい感じです。ここでもエンディングではトム・スコットのブロウするサックスがいいですね。
これはポール単独作。

ジェームス・テイラーが好みの方はこのアルバム、オススメです。またカーペンターズのようなポップスがお好きな方にも・・・。全体的には地味な印象なんですが、非常に味わい深い珠玉の11曲が収録されてます。

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