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浜田省吾「LOVE TRAIN」(1977)

高校時代、浜田省吾の「J.BOY」が大ヒットし、当時バンドを組んでいた高校生の多くがハマショーをカバーしていました。それを尻目に私たちはアースシェイカーをやっていたわけですが、実は私はそれまで発表されたハマショーのすべてのアルバムをレンタル&ダビングし、影でしっかり虜になっていた訳です(笑)。

大学時代には、「CLUB SURF&SNOWBOUND」というアルバムを常に車に積んでドライブしていたし、その後に組んだバンドでも結局ハマショーをカバーしたりしてました。思い出深いアーチストですね。

ハマショーは骨太な楽曲を作るアーチストという印象が強いと思いますが、70年代の彼は、結構フォーキーな歌い手だったんですね。
このアルバムはソロデビュー2枚目のもので、ハマショーの声・アレンジ等、どれもが初々しく、それが逆に新鮮だったりします。そして素晴らしいメロディを持つ名曲が多く収録されているアルバムでもあるのです。

1曲目のフォーキーなポップスの①「雨の日のささやき」から初々しい感じに驚かされます。相変わらず盟友町支寛二のファルセットヴォイスコーラスが心地いいですね。
町支氏はハマショーと同じ広島出身。名門修道高出身。そういえば私の大学時代のバンド仲間も修道高出身だったし、当時彼が先輩に吉川晃司がいると言っていたのが印象的でした。そして町支氏は1972年にハマショーと愛奴を結成するのですね(当時ハマショーがドラム担当だったのは有名な話ですね)。

②「恋に気づいて」も70年代ポップスですね~。ロックなハマショーよりも、こうしたポップス寄りのハマショーも実は大好きです。

①②はいかにも当時流行ったポップスですが、やはりこのアルバム、というかハマショーの真骨頂はバラード。③「君に会うまでは」は心震わすフォーキーなバラードです。
私はこの曲、後のセルフカバーアルバム「Sand Castle」で知ったのですが、この曲は同アルバムの1曲目、とても印象的な楽曲でした。ただやっぱりこの曲はこのアルバムに収録されているオリジナルのフォーキーヴァージョンが心に染みます。今の若者がこの曲を聴いたらバカにされそうですが、でもやっぱりこの青々しい感じが堪らないのです。ちなみに歌詞にも感動したものです・・・恥ずかしながら・・・。

それにしてもこのジャケットのラガーシャツ姿、今見るとどうにも笑えてしまいます。ハマショー自身もネタにしているそうですが、当時はこのアルバム全体から連想される「青春」みたいなイメージを表現したのでしょうね。
さて前述の「Sand Castle」、実はこのアルバムからもう1曲収録されます。それが⑤「君の微笑」。あ~、これもハマショー必殺のフォーキーバラードですね。

このアルバムが最高傑作とコメントを残されている方もいらっしゃいます。商業的にはハマショーの人気はこの後、ロック寄りになった80年代に爆発するのですが、実は私自身もロック寄りのハマショーよりも、ハマショー自身が毛嫌いしているこの頃のアルバムが大好きです。特にこのアルバムは実に味わい深い楽曲が多く収録されてます。
そして③⑤とご紹介したら⑦「ラスト・ダンス」でしょう。今でもコンサートでは歌われているようです。オリジナルバージョンはサビの町支氏とのハモリコーラスが胸を打ちます。フォークギターを片手に私も熱唱したものです(笑)。

このアルバムにはバラードと、シュガーベイブにも近いポップスが絶妙なバランスで収録されています。
「青々しいけど忘れていた何か大事なもの」が取り戻せるような素敵なアルバムですね。

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