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Delaney & Bonnie & Friends「On Tour With Eric Clapton」(1970)

スワンプロックの中心的存在であったデラニー&ボニー。今から考えると彼等の周りにはスゴイ面子が集まっていたんですね。エリック・クラプトンデイヴ・メイスンジム・ゴードンリオン・ラッセルジム・ケルトナージョージ・ハリスンカール・レイドル等。

そんな彼等のステージの熱気を記録した本作。1969年12月のイギリス公演の模様を収めたものです。

このライヴのメンバーは以下の通りです。

Delaney Bramlett (Vo,G)
Bonnie Bramlett (Vo)
Bobby Whitlock (Key,Vo)
Carl Radle (B)
Dave Mason (G)
Eric Clapton (G)
Jim Gordon (Ds)
Jim Price (Trombone)
Bobby Keys (Saxophone)
Rita Coolidge (Vo)
Tex Johnson (Conga)

デラニー&ボニーを中心に、よくもこんな面子が集まったものです。

とにかく①「Things Get Better」から黒くて熱いですね。特にベースのカールが熱い! なかなかの名演です。原曲はスタックスで活躍したEddie Floydのナンバー。作曲者にはSteve Cropperも名を連ねてます。

もともとデラニー&ボニーは白人としては初めてスタックスレコードと契約したアーチストです。1969年に「Home」を発表するのですが、そのアルバムの発表前にコンサートを行い、コンサート自体は黒人に大いに受けたのですが、ラジオ局から「黒人の局では白人の曲はかけられない」と申し渡しがあり、結局スタックスを離れることになります。
1998年8月のレココレにデラニーのインタビュー記事が掲載されてあり、当時の心境を「オーティス・レディングのバンドと仕事をしてたんだよ!!! スタックスを離れるときは本当にがっかりした。」と語ってます。

ゴスペルタッチのコーラスがなんとも力強い②「Poor Elijah」もいいですね。この曲のアンプラグトヴァージョン(BBC Show)がYouTubeにありました。もちろんエリック・クラプトンとデイヴ・メイスンがアコギを弾いてます。でもここではデラニーのヴォーカルとボニー&ボビーのコーラスに圧倒されます。いや~、かっこいい!!! エリック等が憧れたのも理解できます。

③「Only You Know and I Know」はデイヴ・メイスンのオリジナル。彼のソロアルバム「Alone Together」にも収録されてます。

見事なロックンロールの④「I Don't Want to Discuss It」は彼等の敬愛するリトル・リチャードのヒット曲。荒々しいエリックのギターソロも聴けます。バンドのメンバー、皆が楽しそうに演奏する様が目に浮かびます。

エリック・クラプトンは⑦「Comin' Home」において曲作りに参加してます。このアルバムとほぼ同じような演奏の映像をアップしておきます。ファンキーでR&B的なフレーバー漂う名曲です。ちなみにこの映像にはなんとジョージ・ハリスンも参加してます。スーパーアーチストをバックに従え、堂々たる歌いっぷりのデラニー&ボニー、恐るべし・・・。

スワンプというと私のなかでは米国南部の土臭い音楽というイメージが強いのですが、このライヴアルバムはもっとR&B的な要素の強いエネルギッシュなアルバムですね。この当時のスワンプ系のアルバムはあまり聴いていなかったのですが、もっともっといいアルバムがありそうですね~。


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