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Kenny Rankin「After the Roses」(1980)

少しずつ季節が変わっていくのが分かる時期になりました。田植えの始まるGWの時期っていいですよね。
そんな幸福感に満ちた時期。手に取ったのはケニー・ランキン、1980年発表の「After the Roses」。本作はケニーのアルバムのなかでも地味なほうかもしれませんが、非常に幸福感溢れる作品です。

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1980年というと一世を風靡したAORも音が激しくなっていき、またMTVの台頭でビジュアル化が進んでいった時代ですね。そんななか、ケニーは頑固にも自らの音楽ポリシーを曲げることなく、本作を発表しました。

オープニング・ナンバーの①「Regrets」。イントロの優しいアコギのアルペジオ。メロディに彩りを添えるスティール・ギターっぽいメロウなギター。♪Regrets・・・♪のサビ。最高に慈愛に満ち溢れた曲ですね~。この1曲を聴くだけでも本作を購入する価値はあります!

②「With A Little Help From My Friends」は言わずと知れたビートルズのナンバー。それをケニーならではのストリングスを絡ませた大胆なアレンジで、思いっきりジャージーな気品に溢れた楽曲に変えてます。これは凄い。一聴しただけではカバーソングとは分かりません。
毎回ケニーのカバーには脱帽する思いです。とにかく曲の解釈にオリジナリティが溢れています。

③「Strings」はケニーのオリジナル。この人、オリジナルも素晴らしい曲を書きますね。もっと自作の曲を歌えばいいのに、と思ってしまいます。JT(ジェームス・テイラー)らしい、フォーキーで幸福感溢れる1曲。

JTといえば⑧「One More Goodbye, One More Hello」はもろにJTサウンドですね。メロディ、コーラスとも70年代後半のJTらしい曲。ケニーはこうした楽曲も似合います。

⑩「Down The Backstairs Of My Life」。ピアノを前面に押し出した80年代前半っぽいバラード。70年代のケニーとは一味違う、最高のバラード。これも大好きです。この曲、Leah Kunkelやアメリカンビーローを唄ったJoey Scarburyの曲とは同名同曲でしょうか??
かなりいい曲なので、同名同曲かもしれません。

本作は地味ながらも本当に幸福感溢れる一枚。日だまりのなかで聴いていたい一枚です。

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