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Traffic「Traffic」(1968)

トラフィックスティーヴ・ウィンウッドを中心にデイヴ・メイスンジム・キャパルディクリス・ウッドの4人で結成されたバンド。デイヴはファーストアルバム発表後に脱退するのですが、本作収録時に復帰します。この名作を発表して、結局は脱退するのですが・・・。

このセカンドはサイケ、スワンプ、ブルース、ジャズ等がうまくブレンドされた名作。スティーヴとデイヴの個性がうまく溶け合っていると言い換えてもいいかもしれません。
この2人は同時期のスティーヴン・スティルスとニール・ヤングの関係と似ているような気がしますね。

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本作の代表曲というと、スティーヴ・ウィンウッド作の②「Pearly Queen」とデイヴ・メイスン作の⑤「Feelin' Alright」がよく挙げられます。確かにブリティッシュ系R&Bが好きなスティーヴとスワンプ系のデイヴの双方の好みがよく現れた名作ですね。

②「Pearly Queen」なんかはクリームが演奏しそうな曲。
実際スティーヴは本作発表後にブラインド・フェイスを結成し、クリームのエリック・クラプトンとバンドを組むことになりますよね。この曲のエンディングのインド音楽的なアレンジは非常に当時流行ったサイケ的で、妙にそそられます。
ちなみに添付の映像は1994年のライヴ映像です。スティーヴのギターがフューチャーされてますが、ギターといいヴォーカルといい、この当時のクラプトンの音に似てますね。

⑤「Feelin Alright」の映像は、デイヴが2004年にRock & Roll Hall of Fame入りした際の映像をアップしておきます。もちろんスティーヴやジムも演奏に参加してますし、キース・リチャーズやトム・ぺティ、ジャクソン・ブラウンなんかも参加してます。オリジナルはクリスのサックスがいい味出しているのですが、この映像にはクリスは参加してません。彼は1983年に亡くなっております。

本作、個人的にはちょっとポップでカントリーの香りがするデイヴの曲が好みですね。例えば①「You Can All Join In」なんかは、一歩間違うとカントリーソングです。とても②「Pearly Queen」を演奏している同じバンドとは思えません。

また恐らく本作中一番ポップな⑥「Vagabond Virgin」なんかもいいですね。この曲、Aメロはポップスですが、間奏部分なんかはジャズ的色彩が漂っていたり、クリスのフルートが随所に散りばめられ、二流ポップバンドとは違うアレンジ力に圧倒されます。

あとは⑧「Cryin' to Be Heard」の壮大なスケール感にも驚かされますね。
これもデイヴの作品ですが、結構熱い演奏でスティーヴっぽいR&B的な要素も入り雑じった名作だと思います。

デイヴが脱退した本作以降、トラフィックはスティーヴ色が強くなっていきますが、本作は微妙なバランスの上に成立した素晴らしい名作だと思います。

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