見出し画像

The Beach Boys「Shut Down, Vol. 2」(1964)

今日は全国的に夏日になるようですね。そろそろビーチボーイズの季節になってきました。
私が大好きなBBソングは「Girls on the Beach」や「Sufer Girl」等BBらしい豊潤なコーラスのメロウソング。そして本作にはその典型的メロウソング「Don't Worry Baby」が収録されてます。

本作は1964年発表のビーチボーイズ5枚目のアルバム。1963年にキャピトル・レコードの車関連の曲を集めたオムニバス・アルバム「Shut Down」が発表されていたことから、本作はVol.2となってます。

画像1

中学生の頃、初めてビーチボーイズを聴き始めた当時、最も好きだった曲が①「Fun Fun Fun」。後にカーペンターズ等もカバーしますが、やはりオリジナルが一番。車関連を歌った、所謂ホットロッドモノでは出来は一番いいのではないでしょうか?
当時東のフォーシーズンズ、西のビーチボーイズと言われてましたが、エンディングのブライアン・ウィルソンのファルセット・コーラス、物凄いハイトーンですね~。これは明らかにフォーシーズンズを意識したものと思われます。
下は1964年の映像。目立ちたがりのマイク・ラブがなぜかサックスを持ってます。よく聴くとイントロだけ単音弾きしてます。それだけなら弾くなって突っ込みを入れたくなります(笑)。愛すべきキャラのマイク。

そして下は私の大好きな1980年の Live at Knebworth の映像です。
マイクのはしゃぎ具合が失笑してしまうのですが、なんといってもカール・ウィルソン(緑のジャケットを着ている人物)がかっこいい。上のYouTube映像のカール、どの人物か分かりますか??ちょっと太っちょの人物がカールです。ブライアン亡き後、グループを牽引したのはカールだったんですね。
余談ですがこのLive at Knebworth、当時廃人同然だったブライアンが久しぶりにグループに合流した貴重、かつ感動的なライブです。確かにブライアンの目はうつろですが、カール・デニス・アルが頑張ってます。リンク先のこのアルバムの私のレビューもご参照下さい。

本作の目玉は②「Don't Worry Baby」でしょうね。
フィル・スペクターが手がけたロネッツの「Be My Baby」を模倣したことは有名な話ですが、イノセントなブライアン・ワールドがよく現れた名作です。いろいろなアーチストがこれをカバーしていますが、ビーチボーイズを超えることはできないでしょう。
能天気なマイクとナイーブなブライアン。①②はその典型的な楽曲ですね。

それから本作で大好きな曲は⑦「Why Do Fools Fall In Love?」と⑨「Keep An Eye On Summer」。
⑦「Why Do Fools Fall in Love?」は1956年、フランキー・ライモン&ザ・ティーンエイジャーズのヒット曲のカバー。エイティーズファンはダイアナ・ロスのカバーで御馴染みの曲ですね。
これ殆ど、ブライアンのファルセットヴォイスで歌われており、一聴すると、単なるフィフティーズソングと思ってしまいますが、この音圧、凄いですね~。フィル・スペクター・サウンドを完全に自分のものにしたアレンジで、ドラムのハル・ブレインが大活躍してます。またこのコーラスはビーチボーイズならではです。

⑨「Keep An Eye On Summer」は影の名曲。
典型的なメロウソングですが、♪ We said goodbye last September ♪の歌いだしから叙情的な詞がイメージを膨らませていきます。そしてふくよかなコーラス。エンディングのアカペラ部分での転調など、相当高度なテクニックが駆使されてます。
この曲を聴くと、夏の終わりを連想してしまうんですよね。

本作、いい楽曲が詰まったアルバムです。ただし④「"Cassius" Love Vs. "Sonny" Wilson」や⑫「Denny's Drums」等トラック稼ぎに収録したとしか思えないものもあり、アルバム単位としては散漫な印象も与えます。
ハル・ブレインが大活躍しているなかで、あえてドラムソロを入れたデニス・ウィルソン。悪ガキのデニスとしては我慢できなかったのでしょうか?拙いドラムソロですが、頑張ってます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?