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TOTO「TOTO」(1978)

スタジオミュージシャンのオリジナリティ溢れるデビューアルバム

個人的にはTOTOはデビューアルバムから「Ⅳ」までが大好きで、特にデビューアルバムは未だによく聴いてます。

ボズ・スキャッグスの1976年発表の名作「Silk Degrees」でのプレイが大きな話題を呼んだスタジオ・ミュージシャン。それがTOTOの原型です。
「Silk Degrees」に参加したデビッド・ペイチ(Key)、ジェフ・ポーカロ(Ds)、デビッド・ハンゲイト(B)に加えて、スティーヴ・ルカサー(G)、ボビー・キンボール(Vo)、スティーヴ・ポーカロ(Key)の6人が集結し、TOTOを結成、衝撃のデビューアルバムを発表します。

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とにかくアルバムトップを飾る①「Child's Anthem」は衝撃的でした。スタジオ・ミュージシャンならではの演奏テクニック、キメの嵐。静と動が折り重なったハード系インストであり、AOR系インストモノでは最高峰の楽曲と思ってます。

この激しい興奮が余韻を残しつつ、②「I'll Supply the Love」のイントロ、ルカサーの軽やかなギターのカッティングが心地いいですね。またボビーのハイトーンヴォーカルが映える1曲です。間奏のギターソロ、このバッキング演奏がまたスペーシーでいいんですよね。
非常に聴きやすく、またエンディングはインプロビゼーション(即興でもないですが)が繰り広げられ、いかにもTOTOらしいです。
貴重なTOTOの映像をアップしておきます。この映像、TOTOは8人おります?? 当時は分からなかったのですが、この+2名、レニー・カストロ(Pre)とトム・ケリー(G)。レニーは本作にも参加してます。またトム・ケリーってバックコーラスで有名ですが、ギターで参加している映像は初めて見ました。

①②の流れから、また一転、メロウなファンクチューン③「Georgy Porgy」。これはヒットしたのでTOTOのなかでは有名な曲のひとつですね。ルカサーがいい声を聞かせます。ルカサーの声はその激しいギタープレイとは違い、マイルドですね。またシェリル・リンのソウルフルなヴォーカルもかっこいい。

私にとってTOTOといえばジェフです。ジェフ・ポーカロのプレイは本当に刺激的です。本作でいえば⑥「Girl Goodbye」なんかジェフのプレイが炸裂してます。特にトップシンバルをアクセントに用いたプレイはかっこいいですね~。ルカサーも弾きまくってます。
下の映像は前述の映像と同じステージで、間奏に邪魔なナレーションが入ってますが、あまりにかっこいいのでアップしておきます。エンディング最後、ジェフが興奮のあまり立ち上がってシンバルミュートしているのが印象的です。

本作ではあまりにポップなので人気がないかもしれませんが、私はこの⑧「Rockmaker」が一番好きだったりします^^。
ヴォーカルはデヴィッド・ペイチ。ちなみに本作中8曲がペイチの作品なんですよね。実はルカサーは本作では1曲も書いてません。初期TOTOはデヴィッド・ペイチが音楽的なイニシアティブを握っていたと思われます。
さて「Rockmaker」ですが、メロディが単純そのものなので、ジェフ等もテクニックを披露している訳でもなく、TOTOファンからしてみると物足りないかもしれません。でもこうした楽曲にこそTOTOがやりたかった音楽性が現れているような気がします。テクニックならもう何度も披露してきたが、そんなことより音楽を楽しみたいんだという感じですね。
しかしデヴィッド・ペイチの髭面ルックスは愛くるしい(笑)。

それぞれが個性的な楽曲で散漫な印象を与えてしまうといった批判も聞かれる本作ですが、AORファンを狂喜させた、紛れもない名盤ですよね。

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