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Attitudes「Good News」(1977)

アティチュード、AOR大好き人間にとって、デヴィッド・フォスターが在籍していたバンドとして長年気になってました。もともとはジム・ケルトナーのファンクラブか何かで演奏したのがきっかけで結成されたバンドと云われてますが、そのジムをリーダーに、ギターがダニー・コーチマー、ベースにポール・ストールワース、キーボードにデヴィッド・フォスターという面子。

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本作は彼等のセカンドアルバム。AOR系の音を期待してしまうと、かなりファンキーなので、ビックリするかもしれません。

フェードインしてくるファンキーな音、地下から上がってくるような足音・・・、そして軽快に4人の共作である①「Being Here With You」は始まります。
単調なコード進行乍らもグイグイと押してくるファンク。ホーンはTower of Powerでしょうか。

さらにファンク指数は上がってきます。強烈なベースのアタック音の②「Drink My Water」。
すごいファンキーですね~。これはブレンダ・ラッセルと旦那のブライアンの共作。どちらかというとベースのポール・ストールワースの見せ場的楽曲。リード・ヴォーカルもポールでしょうか(??)。

彼等の通算3枚目のシングルともなった③「Sweet Summer Music」。
心地いいですね~。コーラスなんかがオーリアンズを連想させます。キャッチーなAORというよりも、ちょっとソウルフレイヴァーがかった爽やかな楽曲ですね。

ここまで聴いてきて、「どうもフォスター節がそれほど全面に出ていないなあ」と思っていたら、タイトルもそのものズバリの⑤「Foster's Frees」が・・・。いやいや、これはオーケストラを使った完全なデヴィッドの独壇場、というか彼がアレンジしたオーケストラ・インストで、他のメンバーは参加していないのでは・・・。自分の見せ場が作れないことの不満をこの曲に爆発させたのでしょうか(笑)。

所謂A面最後の楽曲が⑥「Turning In Space」。これもベースのポールが持ち寄った楽曲ですが、AOR色の濃いリズミカルな1曲。
エンディングのコーラスとか間奏の部分、エンディングのキーボードリフとか、何となくフォスター節が見受けられます。本来ねちっこいダニーのギターも軽快にカッティングしてますね~。
これはイイ!!! フォスター初のプロデュース作品である1976年のJaye P.Morganのアルバムと同じ香りがします。

いや~、これはいいと思っていたら、このアルバムのキラーチューンが・・・。それが⑦「Change」。これもベースのポールの作品ですが、実にスウィートなAORです。メロウなフェンダーが夢見心地にさせてくれます。そしてこの楽曲のキーが一発で誰が弾いているか分かるギターソロ・・・。そうです、ジェイ・グレイドンですね~(多分)。ここでもダニーは堅実にカッティングしてますが、やはりこの楽曲のソロはジェイに譲ったのでしょうね。

つらつらと書き綴ってきましたが最後のトラック⑪「Good News」にまた狂喜乱舞。
イントロはドナルド・フェイゲンの「Ruby Baby」にそっくり。笑い声も聞こえてくるパーティーソングですね。
軽快なシャッフルナンバーはAORにぴったり。それにしてもこれもベースのポールの作品。彼は3人に較べて知名度はかなり低いですが実にイイ曲を作りますね。

アティテュード、バンマスがジム・ケルトナーだけあって実にファンキー。そしてダニーのファンク志向がそれに乗っかる形。そもそもデヴィッド・フォスターとダニー・コーチマーが同じバンドにいたという事実は、私にとってはものすごく違和感を感じるものでした。そしてその思いはこのアルバムを通して聴いて、改めて強くしました。ダニー色とAOR色が混在したアルバム・・・、個人的にはファンクも嫌いではないので、大好きなアルバムとなりそうですが。

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