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Stephen Stills 「Stills」 (1975)

先週からすっかり達郎さんの新作で盛り上がってますね。私自身も達郎さんの大ファンですが、やはり青山純・伊藤広規が織り成すリズムアンサンブルが大好きなので、実は新作はまだ聴いてません。いい作品だとは思うのですが…。あのジャケットも個人的には好みではありません。
根がマニア志向なので、PRのためのマスコミ露出もちょっと尋常じゃないくらいなので、なんだかなあ~とも感じてます。あまりこんなこと感じている人はいないと思いますので、あくまでも個人的意見としてスルーしておいて下さいませ(苦笑)。

さて、そういった意味ではこの人もマルチプレーヤーで、かなり個性的な方…、スティーヴン・スティルス。このソロ3作目って、結構評価低いんですよね~。

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1974年、スティーヴンを中心としたバンド、マナサスが空中分解し、新編成で新たなスタートを切ろうとしたところに、CSN&Yの再編ツアーの話が持ち上がり、新マナサスの話は頓挫してしまいました。そして1975年にスティーヴンはコロンビアと契約するに至り、本作を発表します。といっても本作は1971年以降に録音された未発表音源集といった色彩が濃いもので、アルバム全体を通して聴くと、散漫な印象を受けるかもしれません。
それでも本作は魅力的だし、特に後にシカゴに加入することになるドニー・ダカスが注目を集めた1枚でした。

そのドニーとスティーヴンとの共作の①「Turn Back the Pages」。
力強いバンド・サウンドとスティーヴンらしい展開。アルバムのオープニングに相応しいナンバーですね。
アクの強いリードギターとベースはスティーヴン、ドニーはリズムギター。印象深い女性コーラスはマーシー・レヴィです。ここでのドラマーは後にアンディ・ギブのバックドラマーとなるRon Ziegler

下の写真はスティーヴンとドニーが映った裏ジャケ。名コンビ…みたいな写真。

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ドラムのダラス・テイラーとスティーヴンの共作のスリリングな楽曲の③「My Angel」。
ここではダラスがプレイする16ビートハイハットとグルーヴィーなスティーヴのベース、ジョー・ララのリズミカルなパーカッションが緊張感を生んでます。コーラスはスティーヴンの多重録音でしょうか。短い曲なんですが、スティーヴンのアレンジ能力が楽しめる1曲。

個人的には④「In the Way」のようなマナサスでやっていたような音楽が好みです。
印象的なベースはケニー・パサレリ。コーラスも印象的ですが、クレジットはケニーとドニーとなってますね。

本作では戦友であり、ライバルであるニール・ヤングの作品を初めて取り上げてます。それが⑧「New Mama」。
もともとはニールが1973年に録音し、1975年に発表したアルバム「Tonight's the Night」に収録されていたナンバー。当時のCSN&Yのリユニオンツアーでも披露されてました。リードヴォーカルはニール、そこにデヴィッドとグラハムが素敵なコーラスを入れてます。まずそちらの貴重な映像をどうぞ。

こちらをスティーヴはどうアレンジしたかというと、かなりロック色濃く仕上げてます。ラス・カンケル(Ds)&リー・スカラー(B)のリズム隊にドニーのギター、コーラスはドニーとリック・ロバーツ。結構、こちらのアレンジも好みです。

1971年に録音された⑨「As I Come of Age」。
当時、もともとはこの曲のタイトルでアルバムを発表しようとしていたのですが、それが頓挫。ただこのトラックはリンゴ・スターがドラムを叩き、デヴィッド・クロスビーグラハム・ナッシュが美しいコーラスを付けた素晴らしい楽曲で、めでたくここで陽の目を見ることとなりました。リード・ギターはドニー・ダカス。ここでのリンゴのドラム、イントロからリンゴらしいタムを駆使したフィルインが聴けます。CSNのライブでもたまに披露されるナイス・トラック。

本作中、一番ブルージーな⑩「Shuffle Just as Bad」。
コレ、結構カッコいいですね。曲がブギー調から8ビートへリズムチェンジするところなんか、スティーヴンらしいアイデアです。アップした映像は最近のライブですが、これがまた熱い演奏で、カッコいい!
スティーヴン自らがリードギター弾いてますね。こうしてギターを弾きまくっているスティーヴン、いいですね~。確か彼はジミヘンを崇拝していたと記憶してます。

なかなかいいアルバムだと思うんですけどね~。でもやっぱりスティーヴン・スティルスってバンドで映える人なのかもしれません。「Shuffle Just as Bad」」のライブ映像をみると、実に楽しそうですよね。

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