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Tower of Power「Tower of Power」(1973)

ドゥービー・ブラザーズのコンサートの余韻が冷めません。まだまだ来日中の彼等。いい演奏を聞かせてくれるものと思います。
さて今回の来日メンバーですが、ベースのジョン・コーワンやサックスのマーク・ルッソ、ドラムのエド・トスがかなり頑張っていた印象です。ジョンは自身のバンドでも来日していた実績あるミュージシャン。彼がコーラスに加わっていたことで、かなり厚みのあるハーモニーが楽しめました。そしてマークは80年代前半にタワー・オブ・パワーに在籍していた名手。マークが在籍していた頃のタワー・オブ・パワーは不遇の時代で、ヒューイ・ルイス&ザ・ニューズのバックを務めていた頃じゃないかなと思います。

ということで今回はタワー・オブ・パワー(TOP)の初期の代表作、1973年発表のサードアルバム「Tower Of Power」をピックアップしました。

今では彼等の代名詞的な楽曲となった①「What Is Hip?」で幕開け。この曲のリズム隊、凄い迫力ですよね。16ビートを繊細に絡ませてくるリズム、ベースはロッコ・プレスティア(彼は2020年9月に亡くなってます)、ドラムはデヴィッド・ガリバルディ。TOPはエミリオ・カスティーヨ(t-sax)とステファン・ドク・クプカ(b-sax)が中心となって結成されたバンドで、殆どの楽曲がこの二人の共作ですが、この曲はこの二人にデヴィッドが曲作りに参加してます。彼等はこの強烈なリズム隊をもってして、世界一のファンクバンドと称されてます。エミリオとステファンを中心とした熱いホーンも刺激的です。
アップしたのはレニー・ウィリアムス(Vo)在籍時の強力なライブ映像。画質が悪いし、肝心のリズム隊の二人があまり映っていないのが難点ですが、全盛期の彼等の熱い演奏が楽しめます。

60年代~70年代前半の古き良きアメリカのソウルポップス的な③「This Time It's Real」。
この当時のメンバーでのソウル・トレインに出演時の映像ですが、TOPはこうした楽曲も器用に演奏しちゃうんですよね。陽気なポップスもリズムが大事です。跳ねるようなリズムはTOPならではですね。

ミディアム・テンポのホーンとメロディが胸に染みる⑥「So Very Hard to Go」もクラシック・ソウルなナンバーです。
ソウルは好き嫌いが大きく分かれますが、TOPが奏でるソウルはこってりとしたソウル感はなく、非常にメロディが親しみやすいソウルポップなものが多いのが特徴です。

そろそろまた彼等お得意のファンクチューンをセレクトしましょう。⑦「Soul Vaccination」もロッコのベースが動き回るファンクナンバー。
リズム隊が自由に撥ねまくり、その上にホーンが暴れまくるような構造。ブルース・コンテのシャープなカッティングギターもいいですね。

エンディングはちょっとシカゴっぽい楽曲の⑩「Just Another Day」。この曲のみブルース・コンテの作品。
ブルースが作った曲だからなのか、ちょっとソウル&ファンク色は薄目。なのでブラスロック風なシカゴに近い楽曲です。こちらもホーンがメロディと相俟って、味わい深いですね。TOPならではの世界観です。

TOPは「少なくとも60人のミュージシャンが、50年の歴史の中でバンドとしてツアーまたはレコーディングを行っている(wikiより)」。その60人の中に、現在ドゥービー・ブラザーズのメンバーであるマーク・ルッソも含まれます。そしてエミリオとステファン、そして出入りがありましたが

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