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Jo Mama「J Is For Jump」(1971)

サミー・ヘイガー来日しますね。サミー自体にはあまり興味がないのですが、そのメンバーが興味津々。マイケル・アンソニー(B)、ジョー・サトリアーニ(G)、ジェイソン・ボーナム(Ds)という豪華布陣。元ヴァン・ヘイレンのマイケル・アンソニーのコーラスが大好きで、ついついいい加減な気持ちで抽選に応募し、当選してしまいました。結構高額なのと、連休最終日の公演なので、ちょっと悩んでます。でもこの布陣はそうそう見られないし、ヴァン・ヘイレン中心の選曲らしいので、行こうかなとも思ってます。

さて最近妙に聴いているのがダニー・コーチマー率いるジョー・ママ
器用貧乏というか、それぞれ味わい深い曲なんですが、なんだか焦点の定まりきれていないバンドというイメージ。でもダニーの奥様で紅一点のアビゲイル・ヘイネスのヴォーカルが彩りを添えており、聴き所は多いです。
本作は「Jo Mama」に続くセカンドにしてラストアルバムです。

プロデューサーはアルビー・ガルテンとトム・ダウド。
ダニーとアビゲイルの他、メンバーはチャールズ・ラーキー(B)、ジョエル・オブライエン(Ds)、ラルフ・シュケット(Key)の5人。引き締まった演奏が楽しめます。

アルバムトップは、サビの部分はキャロル・キングを彷彿させるような①「Keep On Truckin’」。
もちろんダニーの作品。ちょっとラテン・フレイヴァーが効いているな点はダニーらしい。後半は彼のギターソロをフューチャーしてます。フォキーでありながらもラテンロック風、そして軽やかなアビゲイルのヴォーカルが心地いい。

かなりスワンピーな1曲が②「Back On The Street Again」。
のどかな口笛といい、ダニーの気だるいヴォーカル、それに絡むアビゲイルのコーラス、タイトなリズム隊。すごくスワンプしていていいですね…。多分本来のジョー・ママの持ち味はこのテの音楽なのかなあとも思ったりします。

キャロル・キングの作品としても有名な③「Smack Water Jack」。
やはりヴォーカルの力強さという点ではアビゲイルの方がキャロルよりも数段上ですね(当然といえば当然ですが)。ロックチューンなので、パンチのあるヴォーカルが映えます。ラルフのピアノやダニーのロックするギターが実に楽しそう。

後のフュージョンの先駆け的な楽曲の⑧「3 A.M. In L.A.」。このバンドが捉えどころのないと言わしめる、その一因とも云える1曲がこちら。
プロローグとも呼べる前半、シンコペーションを効かせたリズムとちょっとサイケな展開。その後の静寂の中で始まるアビゲイルのヴォーカルが入ってくるバラードのパート(これも味わい深い)、そしてまた前半と同じフレーズの展開が…。不協和音が入ってくるようなちょっと恐怖を感じさせるような楽曲です。こちらもダニーの作品ですし、彼がギターを弾きまくっているので、彼の個人的趣味な1曲かもしれません。

ちょっと意外なのは20年代に活躍したジャズピアニスト、ファッツ・ウォーラーのカバーの⑨「Sweet And Slow」。
もちろん4ビートジャズに仕上がってます。ダニーよりもラルフのピアノが目立つアレンジですので、ひょっとしたら彼の趣味かもしれません。それをまた軽妙にアビゲイルが歌い上げてます。ある意味、アビゲイルは器用なヴォーカリストでしょう。ジョー・ママ…、奥が深いバンドです。

メンバーそれぞれがセッション・ミュージシャンとして多忙を極める一方、ダニーはやりたい音楽をもっと極めたく、違うメンバーでザ・セクションを結成。このジョー・ママからザ・セクションに活動の場を移したダニーの心境は、もうちょっと深く知りたいところです。やはりジェームス・テイラーのバックをやることで、ザ・セクションのメンバーとの絆が深まっていったということなのでしょうかね。

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