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Rolling Stones「Let It Bleed」(1969)

60年代後期のストーンズの作品は味わい深いものが多いですね。1968年発表の「Beggars Banquet」をストーンズの最高傑作と呼ぶ方もいらっしゃるし、本作を推す方も結構いらっしゃるようです。
「Beggars Banquet」はブライアン・ジョーンズが最後の輝きを放った作品。そして本作にはそのブライアンは2曲しか参加してません・・・。

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学生時代、ストーンズと言えばビートルズと対比される形で暴力的なロックというイメージが先行していました。ちょうど「Start Me Up」がヒットしている頃で、相変わらずストーンズはロックやっているなあといった程度の感想でした。
ところが社会人となってしばらくして、スワンプ系の音楽の素晴らしさに気付き、自然とストーンズの60年代後期作品も改めて聴き始めている次第です。

このアルバムはレココレ2007年5月号「60年代ロック・アルバム・ベスト100」において、堂々の第4位にランクインされてます。個人的には一発で良さが分かるというよりも、何回も何回も聴けるアルバムといった印象でしょうか。

因縁の曲となってしまった①「Gimme Shelter」。
のちに「オルタモントの悲劇」と呼ばれるフリーコンサートを映画化。そのタイトルが「Gimme Shelter」でした。
Merry Claytonの黒いバックヴォーカルが怪しい雰囲気を盛り上げてます。そして後段のミックとメリーのヴォーカル。ソウルとロックの融合、でもバックはしっかりストーンズ流ハードロックで、これがまたかっこいい。

一転、曲はスローなカントリーブルースのRobert Johnson作の②「Love In Vain」。
完全にこの当時のスワンピーなアレンジで、楽曲をストーンズのものとしてしまいました。印象的なマンドリンはRy Cooderです。こんな曲もストーンズはやるのか~、と妙に感心した記憶があります。

③「Country Honk」はシングル「Honky Tonk Women」のカントリーヴァージョン。
フィドルまで登場してしまうカントリー指数の高さに驚きです。カントリー好きの私には堪りませんが、そこまでやることもないのに~。1968年、キース・リチャーズはグラム・パーソンズと意気投合し、その音楽(カントリー)の影響を大いに受けたものと思われます。この曲はそんな一端を表してますね。

出た出た!! これぞストーンズ流ファンクの④「Live with Me」。
イントロのリードベースはキースによる演奏。Leon RussellやNicholas Hopkinsがピアノで参加。ひたすらスネアを叩き続けるチャーリー・ワッツのドラミングが印象的です。

⑤「Let It Bleed」は典型的なスワンプソングかもしれません。ゴキゲンなピアノは6人めのストーンズと云われたIan Stewart。スライドギターとピアノがスワンプなムードを盛り上げてます。

一風変わっているのが⑨「You Can't Always Get What You Want」。
邦題「無情の世界」。ジャック・ニッチェがアレンジした教会風コーラスが印象的。アップしたオフィシャル・ビデオにはブライアン・ジョーンズがギターを弾いてますね。

ストーンズは初期の荒々しいロックから徐々に転換を図り、70年代も疾走するのでした。

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