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Jay Graydon「Past to Present - the 70s」(2006)

ジェイ・グレイドン、70年代のAOR度100%の未発表音源集!

こちらは2006年に発表されたジェイ・グレイドンの作品。ジェイ・グレイドンといえばAOR好きには堪らないギタリストとして有名な方。エアプレイのデヴィッド・フォスターじゃない方の方、と言ったら失礼でしょうか。

発表当時、AORが大好きでしたので、真っ先に本作を購入しました。
本作の中田利樹さんのライナーノーツにもありますが、一般的なAORファンは、70~80年代前半の音が好きなので、どうしても過去の旧譜・紙ジャケを買ってしまいます。一方本作は新譜ですが、あの70年代AORの音をそのまま持ってきたものなので、多分そういった方々も抵抗感なく聴けるんじゃないかなと思います。ジャケットだけはもうちょっと何とか出来なかったのか…と感じましたが(苦笑)。

それにしてもまず圧倒されるのはジェイ本人によるライナーノーツ。本当に機材についての記載がマニアック!音楽が好きなんだなとつくづく思ってしまいます。山下達郎氏に似ているような気もしますね。

本作はジェイがギターを弾きまくっている訳ではなく、あくまでも楽曲優先。AOR度100%の曲が並びます。ジェイは優れたギタリストであるだけでなく、優れた作曲家であり、エンジニアであることがよく分かりますね。

②「What Good Is Love」はビル・チャンプリンのファーストソロに収録されていた名曲。未発表ヴァージョンで、もちろんヴォーカルはビル。

⑤「Should We Carry On」、⑦「She Waits For Me」はデヴィッド・フォスターとのコラボ、エアプレイで有名な2曲。そのデモヴァージョンですが、ほとんどデモとは思えない仕上がり。この2曲、やはり超名曲ですね。⑤の泣きのメロディ、⑦のポップ度100%の軽快さ、いいですね。

⑥「Secret Love」は以前小生が紹介した竹内まりやのアルバム「M」に収録されていた曲。ここでのヴォーカルは、あのマーク・ジョーダン。マークのアルバムに収録予定だったのでしょうか?相変わらず肩肘張らない、さらっとしたヴォーカルがいい。

⑨「I Fall In Love Every Day」はデヴィッド・フォスター初のプロデュース作品、JPモルガンのアルバムに収録されていたもの。ただしここでの音源は1973年に収録された、さらに以前のもの。ジェイのギターに驚かされます。例のハーモナイズド・ギターではなく、線の細いジャズ系のギター音なんです。この当時は未だ自らのスタイルが確立されていなかったんですね。

アルバム後半はCM、ジングル、インスト中心。
こうして聴いてみると、ジェイっていい曲作っているんだなという印象です。また周りのミュージシャンも凄い面子ですね。デヴィッド・フォスター、グレッグ・マティソン、ジェフ・ポーカロ、マイク・ベアード、デヴィッド・ハンゲイト、マイク・ポーカロ、ビル・チャンプリン等。

70年代のジェイの素晴らしいプロダクションであるスティーヴ・キップナー、マーク・ジョーダンの作品を、また聴きたくなってきました。

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