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KISS「Destroyer」(1976)

1976年に発売されたキッスの代表的なアルバム「Destroyer」の発売45周年を記念して、スペシャルエディション盤が発売…。45という区切りがまた微妙で笑ってしまいます。でも確かに「Destroyer」は名盤。

一昨年の12月、コロナ禍になる直前、キッスは来日してくれました。もう2度とコンサートはしないというふれ込みでしたので、私は名古屋で参戦。それはもう楽しかった…。そのコンサートでも、本作からは数曲演奏してくれました。

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キッスが一番キッスらしさを発揮した名曲、①「Detroit Rock City」でこのアルバムは幕を開けます。イントロの効果音では前作のヒット曲「Rock And Roll All Nite」が聞こえたり、車のモーター音が鳴っていたりと凝った作りで、曲自体もギターのリフがキャッチーで、とてもかっこいい楽曲ですね。
学生時代に組んでいたスリーピースバンドでも、この曲はカバーしました。このシャッフルリズムのグルーヴ感を出すのに苦労した記憶があります。間奏のギターソロはドラムとギターだけのパートがあり、実際にバンドで演奏してみると、結構心許ない演奏になってしまうんですよね(笑)。

ベースのジーン・シモンズのテーマソング的な③「God Of Thunder」。もちろんこの曲も来日公演では演奏してくれました。
ダーク・サイド・オブ・キッスの最高峰の楽曲かもしれません。この曲を聴くたびに役者ばりのジーンのステージング・アクションが思い浮かびます。せっかくなのでドロドロした映像をアップしておきます。
ちなみにジーンは小学校の先生でした(笑)。

とにかく最初に聴いたときにびっくりしたのが④「Great Expectations」。
なんとイントロにベートーベンの「悲愴」が使われております。ビリー・ジョエルよりも早く、こうしたアイデアを取り入れていたなんて・・・。キッスの底知れぬセンスに脱帽です。

以下⑤「Flaming Youth」、⑥「Sweet Pain」、⑦「Shout It Out Loud」と超強力なハードロック・ポップチューンが続きます。この④~⑦の流れは鳥肌モノですね。特に⑦「Shout It Out Loud」は大好きでした。後追いコーラスといい、ドラムのポップな軽さといい、覚えやすいサビといい、これぞポップ・サイド・オブ・キッスの典型例と言えるでしょう。
これはバンドではやったことはなかったのですが、こんなポップチューン、一度はやってみたいものです。
それにしてもこの楽曲の邦題「狂気の叫び」・・・、気持ちは分かりますが、狂気からは程遠い楽曲ですね(笑)。

このアルバム、④~⑦を挟むように③「God Of Thunder」と⑧「Beth」が配置されているのが印象的です。その「Beth」。作詞作曲はドラムのピーター・クリス。ピーターの一世一代の名唄が聴けます。個人的にはこの後発表された「Hard Luck Woman」でのロッド・スチュアートばりのアコースティックタッチなピーターのヴォーカルが好きなのですが、やはりピーターを表舞台に立たせた楽曲は「Beth」でしょう。
ちなみにバンドではしっかり「Hard Luck Woman」をやらせて頂き、貧弱なヴォーカル&ドラムをプレイしました。懐かしいですね~。
アップした映像のオーケストラのKISS化粧には笑えます。

そしてアルバム最後を飾るのは⑨「Do You Love Me?」。これもライヴの定番ソングですね。

こうした改めてこのアルバムを聴くと、とにかく後にキッスの定番ソングになる楽曲が多く収録されており、全く捨て曲なしのアルバムなんですよね。プロデューサーのボブ・エズリンの力も大きいと思われますが、もともとキッスには成功する要素が多く隠されていたんですね。
このアルバムで商業的にも大成功を収めたキッス、後の大活躍は皆さんご存知の通りです。


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