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Alessi「Long Time Friends」(1982)

今日は気分を爽やかに…、AORをチョイスしました。アレッシー兄弟、かなりのイケメン兄弟ですね。80年代に洋楽を聞きかじった方なら、その名前は記憶の片隅にあるかもしれません。私も当然知っていたのですが、なんとなくアイドルっぽいイメージを持っておりまして、長らく敬遠しておりました。同時期にキーンというTOTOっぽい音の兄弟も居りましたね。あちらはもうちょっとハードなサウンドで、結構お気に入りのバンドでした。
本作はアレッシー5枚目のアルバム。A&Mからクィンシー・ジョーンズのレーベル「クエスト」に移籍後、第一弾のアルバム。プロデューサーはなんとクリストファー・クロス。当時全盛を極めていたクリストファーの初めてプロデュース作品だったらしい。また参加ミュージシャンも豪華。スティーヴ・ルカサー、ジェフ・ポーカロ、マイケル・オマーティアン、ラリー・カールトン、エリック・ジョンソン…。但し彼等は1,2曲のみのゲスト参加で、基本はクリストファー・クロスと一緒にやっていたトミー・テイラー(Ds)、ロブ・モイラ―(Key)、ロベン・フォードとの仕事で有名なロスコ―・ベック(B)を中心にレコーディングされてます。

本作を聴いて最初の印象は「甘いAOR」。当時流行っていた美しいメロディのAOR…ですね。1982年というとAORブームの最後の方、商業的になり過ぎないギリギリの感じといったらいいでしょうか。

オープニング・ナンバーから爽やかな甘いAORの①「Jagged Edge」。
80年代の流行りのAORの音ですね~。というかクリストファー・クロスのアルバムに収録されても何ら違和感を感じさせない佳曲。特にコーラスはクリストファー・クロスそのもの。サビもしっかり覚えやすくキャッチー。私はこのテの音楽は大好きですが、好き嫌い分かれそうですね。

本作からのファーストシングルが⑥「Put Away Your Love」。
邦題「その風にくちづけ」。タイトルまで甘い!もちろん楽曲もタイトル通りです。コレ、クリストファー・クロスの曲じゃないの?っていうくらい彼の曲にそっくり。ギターはクリストファー・クロス。

⑦「What A Way To Go」は美しいバラード。
個人的には本作中、一番のお気に入りナンバー。日本人好みの泣きのメロディが楽しめます。クィンシー・ジョーンズの関係でしょうか、パティ・オースティンが参加しております。アレッシー兄弟があまりにもハイトーンなので、パティが絡むと女性同士のデュエットかと思えちゃいますね。泣きのサックスはアーニー・ワッツ。目立ちませんが、ギターはスティーヴ・ルカサーです。

爽やかなアコギのカッティングギターで始まる⑧「Still In Love」。
本作の紹介記事を見ると、ドラムにジェフ・ポーカロが参加との記載が多く見られますが、実際はジェフの参加はこの曲のみなんですよね。印象的なギターはクリストファー・クロス。特にジェフのプレイと分かるようなところもなく、彼が叩く理由もないような気もしますね。コーラスはペイジスそっくり。メロディが美しく、これも私の好みですが、アレッシーの唯一の(私が思う)欠点はヴォーカルが弱いこと。もうちょっと力強いヴォーカルだと曲の印象も変わると思うのですが。あ、クリストファー・クロスも同じようなタイプのヴォーカリストでしたね。

⑨「How Long, How Much」、イントロのギター、誰か分かりますか? ラリー・カールトンです。ラリーらしいフレージングとトーン。ラリーの音を知っている方なら分かると思います。ラリー・カールトンらしいギターソロ、転調していくメロディとか、地味ながらも味わい深く、ずっと曲に付き添うようにラリーのギターが鳴ってます。

本来なら時代の寵児、クリストファー・クロスがプロデュース、豪華ミュージシャンが参加したこのアルバム、本来ならヒット間違いなしだったと思うのですが、時代の流れとは怖いもので、あまり売れませんでした。このサウンドはちょっと遅かったかもしれません。

美しいメロディが素敵なアレッシー、実は今も現役!2018年には新作も発表しております。↓が今のアレッシー。いい歳の取り方してますね。お~「We Will Survive」、彼らは一発屋ではありませんね。

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