見出し画像

Cheap Trick「Dream Police」(1979)

私の中ではパワーポップの祖といえばバッドフィンガー、ラズベリーズ、そしてその代表格といえばチープトリック、といったところでしょうか。
もともとポップスが大好きだった私は、彼等のポップスがブレンドされたハードロックに直ぐに夢中になり、リアルタイムではないのですが、セカンドアルバムIn Colorをよく聴いてました。そしてもちろん「at Budokan」も。

私が洋楽を聴き始めた頃…、確か「One On One」を発表した頃ですが、もう彼等の人気は衰えはじめていましたが、その低迷期、1985年発表のシングル「Tonight It's You」には音楽の魔法を感じていたものです。

今回ご紹介する4枚目のアルバム「Dream Police」は、実はかなり後になってから通して聴いたアルバムです。ただアルバムタイトルトラックだけは洋楽を聴き始めた頃、既に音楽の魔法を感じさせる大事な1曲となってました。

このアルバム、本当は1978年には完成されていたのですが、予想外に「at Budokan」が大ヒットしてしまい、その余韻が冷めた頃、満を持して発表されたもの。ビルボードで6位まで上昇した大ヒットアルバムです。

前述の①「Dream Police」。このPVは中学生時代に見た記憶があり、妙に印象に残っております。すごくポップなのにスリリングなメロディ。このPVでもお分かりの通り、ヴォーカルのロビンとギターのリック、実に対照的な容姿で、如何にも怪しげなリックが実はチープトリックのキーマンで、生真面目な人物と知ったのはずっと後になってからです。
それにしても今聴いても超カッコイイ楽曲ですね~。とくに間奏のオーケストラが仰々しく盛り上げていくところなんか、アレンジに感動してしまいます。

チープ・トリック流ロックの②「Way Of The World」も魅力的。このアルバムでは効果的にストリングスが使われてますね。ELOバリのストリングスが盛り上げます。

セカンドシングルの⑥「Voices」もキャッチーでいいですね。
この「Voices」にはTOTOのスティーヴ・ルカサーがギターで参加していますが、このギターソロがルカサーなんでしょうね。それほどテクニックに走っている訳ではなく、情熱的なプレイが印象的です。リックとルカサーは友人らしいので、その繋がりで参加したのだと思われますが、あえてこのバラード調の楽曲にルカサーが参加するとは・・・。個人的にはハードな楽曲において、ガンガンにソロを弾いて欲しかった気もします。

このアルバムの魅力は上述したようなポップな楽曲が散りばめられているということだと思いますが、やっぱり④「Gonna Raise Hell」や⑨「Need Your Love」のようなダークサイド的な楽曲も魅力的だったりします。
特に「Need Your Love」は「at Budokan」においても紹介されており、彼等の得意の持ち歌だったものと推察されます。
アップした映像、バーニーのずっしりくるドラムがいいですね。そして5分15秒過ぎから曲がスピーディーに展開していくところなんかも堪りません。どこかT.レックス的なグラムロック感覚溢れる展開です。この当時会場に来ていたロビン目的のミーハーなファン等は、この曲にどう反応していたのでしょう。

この武道館のライブを見ていたら、ついつい「Hello There」も聴きたくなってしまいました。

今も現役の彼等、未だに素晴らしい音楽を聴かせてくれますが、この当時のチープ・トリックは飛び切り素敵なサウンドですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?