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Larry Carlton 「Sleepwalk」 (1982)

スィートなラリー・カールトンも素晴らしい1枚

今日は祝日でしたね。在勤が続くと、オンとオフの切り替えが難しい…。たまに通勤した方が体にはいいかもしれません。ということで今日のチョイスは素敵な1枚、まったりしたフュージョンをチョイスしました。その素敵な1枚とは・・・、ラリー・カールトンの「夢飛行」。自身ワーナー移籍後、3枚目のアルバムです。

私がラリーを知ったのは、彼の全曲アコギ演奏による「Alone/But Never Alone」という作品が最初で、これは後追いだったのですが、それとラリーのベスト盤が当時(大学1年)のマストアイテムでした。そしてラリーを知ったことで、私のフュージョン熱が深まっていったのです。まあ、いってみればラリーは私の師匠みたいな存在な訳で・・・(笑)。

そのベスト盤には数多くの名曲が収録されていたのですが、そんな中でも「夢飛行」って曲が一番のお気に入りだったんです。本作はその「夢飛行」を中心とした全8曲。おそらく1,2枚目より地味なアルバムかと思われますが、でも一番ラリーの持ち味(美しいギタートーン)が発揮されたアルバムなのではないでしょうか。

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私の大好きな⑤「Sleepwalk」は実はラリーのオリジナルではありません。本作では唯一のカバー作品。なぜこの曲をカバーしたのか・・・、それは聴いて頂ければすぐに分かると思います。
1959年のサント&ジョニーが発表したインストがオリジナルで、それはギターとスライド・ギターの演奏によるものでした。ラリーはそれをヴァレイ・ストラトを駆使し、ヴォリューム調整を用いた美しいナチュラルトーンでメロディを奏でます。美しい・・・、タイトル通り、夢飛行させてくれます。

どうですか~??? 素晴らしいですよね。この曲は多くのカバーが存在しますが、あのジェフ・ベックもカバーしてます。ジェフのバージョンはどちらかというとオリジナルに忠実でしょうか。当然といえば当然ですが、あまりジェフ・ベックらしくないカバーですね。これを聴くと、ラリーバージョンの素晴らしさが理解出来ると思います(もちろんジェフのプレイも素晴らしいですが、個人的にはラリーのバージョンが染み付いてしまっているので・・・)。

本作ではドラムをジェフ・ポーカロ、スティーヴ・ガッド、ジョン・フェラーロ、ベースをエイブラハム・ラボリエル、ロバート・ポップスウェルと、曲に応じて使い分けております。これらスーパープレイヤーを使い分ける贅沢さが本作にはあるわけです。
そしてアルバムトップの楽曲はアルバム1曲目にしては非常に地味な、つまりクールなサウンドの①「Last Nite」で、これはガッドとラボリエルのいぶし銀で骨太なリズム隊がしっかりとツボを抑えた演奏をしております。
この曲、ヘッドフォンで聴くとよりいっそう理解できますが、ヴァレイ・ストラトのトーンが美しい。イントロのギタートーンからハッとさせられます。この渋めの曲が1曲目にセレクトされているのは、オレのギタートーンを聞いてくれ!ということなのかもしれませんね。
アップしたのは当時の貴重なライブ映像。おっ、ドラムはジェフ・ポーカロですね。

③「Song for Katie」は娘のケイティのために作った曲。これもギタートーンが美しい(こればっかりですが^^)。この曲のみヴァレイと335の2本を使ってます。それぞれの音色が堪能出来ます。それにしてもこの曲もそうですが、ラリーってギターの名手であることはもちろんですが、素晴らしいメロディメーカーでもあるのです。

本作中、もっともハードな④「Frenchman's Flat」。強烈なシャッフルビートはもちろんジェフが叩いてます。彼の十八番ですからね。ドラムがジェフ、楽曲がハードロック寄りということもあり、この曲はかなりTOTOに近いイメージですね。ギターはもちろん335。

⑧「You Gotta Get It While You Can」」はファンク調ナンバー。これ、スクエアの曲に似てますね~(笑)。まあ当然ですが、スクエアが影響を受けたということなんですが。こうしたリズムはスティーヴ・ガッドのドラムプレイが一番フィットしますね。ベースはエイブです。

ホントは全曲ご紹介したいくらい、すべて聴き所満載のアルバムです。後に発表するアコースティックアルバムもいいですし、もちろんソロ前のクルセイダーズのプレイ、あ、あとフォープレイでのプレイもいいですね。

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