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Michael Nesmith & The First National Band「Loose Salute」(1970)

GW最終日は予報通り雨ですね~。
こんな時は軽快なカントリーなんか如何でしょう。気持ちだけでも前向きに…。
自分の中学時代はモンキーズを毎日のように聞き、中でもマイク・ネスミスの楽曲が大好きでした。となると自然とマイクのソロはどんな楽曲か?気になっていくものです。当時はマイクのソロ・最初のバンド名義「Michael Nesmith &The First National Band」の「シルバームーン」がラジオからよくかかってましたので、まずは同作品収録の本作品を購入しました(もちろん後追いですが、購入したのはLPです)。

本作は1970年11月発表のファースト・ナショナル・バンドとしてはセカンドアルバムに当たります。ファーストの「Magnetic South」が1970年6月発表ですから、僅か半年足らずでの発表ということですね。当時のマイクは才能が迸っており、相当創作意欲に満ちていたのでしょう。

本作の代表作といえば①「Silver Moon」ですね。シングルとしてもヒットしました。本作購入時はこの曲はよく聞きましたね。カントリーロックの名曲だと思います。

一般的には知られてませんが、60年代末から70年代前半のカントリーロックの勃興は、マイクの功績「大」と考えております。リンダ・ロンシュタットもマイクの曲をカバーしておりますし、マイクのバンドのスティールギター担当・レッド・ローズは、スタジオミュージシャンとしても超売れっ子となっていきます。
アップした映像はリンダがカバーしたマイクの名曲「Different Drum」。

ちなみに本作は10曲収録されてますが、1曲のカバーを除き、すべてマイクのオリジナル。そのカバーというのがパッツィー・クラインが1961年にヒットさせた②「I Fall To Pieces」で、実はこの作品、リンダも1972年にカバーしております。マイクはこの作品をバラード風ではなく、ミドルテンポの軽快なカントリーにアレンジしてます。実にマイクらしいアレンジです。

本作でのお気に入りは他に軽快なカントリーロックの④「Dedicated Friend」ですかね。
非常にノリのいい、マイクらしい作品。イントロのタムを駆使したドラミングも大好きです。レッドのスティール・ギターが冴えわたります。曲の随所でマイクがカントリーらしい、ちょっと音程を崩したような唱法で歌うところなんかいいんですよね。

かなり実験的な要素が垣間見られるのが⑥「Tengo Amore」。
イントロが1分くらい続きますが、その後に続くのはタンゴをカントリーに崩したようなリズムワーク。効果的に使われているのはハープシコードでしょうか。クレジット上はエルビス・プレスリー等のセッションでも有名なグレン・ハーディンがピアノで参加してますので、彼のプレイでしょう。もちろんここでもレッド・ローズのスティール・ギターがご機嫌なプレイを聴かせてくれます。

この作品の目玉は⑦「Listen To The Band」でしょう。モンキーズファンならご存知でしょう。モンキーズ後期のヒット曲です。これをカントリーフレーヴァー溢れるアレンジにしてます。フェードインしてくるアレンジもいいですね。モンキーズヴァージョンはちょっとマイナー調な重々しいアレンジでしたが、これはスピーディーでノリを重視してます。

改めてこの作品を聴いて、随所にマイクの才能が生かされていると感じました。楽曲・アレンジ、どれを取っても当時のカントリーロックの最高峰だったんじゃないかなと、個人的にはそう感じております。


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