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The Young Rascals「Groovin'」(1967)

山下達郎さんのサンデー・ソングブックをお聴きのお方にはお馴染みのラスカルズの「Groovin'」。実は私が洋楽を聴き始めた頃に、この「Groovin'」に出会い、なんて素晴らしい曲なんだろうと感動した記憶があります。子供心にもこの曲の素晴らしさは理解出来ました。そしていまだにその思いは変わりません。

黒人のものであったR&Bやソウルミュージックを白人が取り入れ形成した白人の音楽…、それが「ブルー・アイド・ソウル」。その代表格がラスカルズでした。名曲「Groovin'」が収録されたアルバム「Groovin'」はラスカルズのサードアルバムです。

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アルバムタイトルトラックの⑥「Groovin'」はメンバーのフェリックス・キャヴァリエエディ・ブリガッティの共作。リードシンガーはフェリックス。イントロから小鳥のさえずりが心地よく聴こえてきます。演奏はピアノとベース、ハーモニカ、パーカッションとシンプルなもの。これだけの演奏で、日曜日の午後のグルーヴィーな感じを非常にうまく醸し出してますね。 素晴らしい!                             ラスカルズはブルー・アイド・ソウル系のグループですが、この曲で完全にソウルを彼等なりの解釈で昇華してしまいました。

「Groovin’」は本作では異色の曲ともいえるし、「Groovin’」だけのアルバムかと言えば、全くそんなことはなく、基本はソウルフルな佳曲が満載なんですね。
まずは1曲目の①「A Girl Like You」。フェリックスのヴォーカルが黒いですね~。実に力強い演奏です。「Groovin'」とは全く違う一面を見せてくれます(というか「Groovin'」がいつもの彼等と違うのですが)。

ラスカルズはフェリックスとエディという優れたライター&シンガーがいましたが、ギターのジーン・コーニッシュもなかなかの曲を作っていました。本作では2曲、③「I'm So Happy Now」、⑧「I Don't Love You Anymore」提供しています。もちろんリードシンガーはジーンです。
ジーンのヴォーカルは甘い感じで、どちらかというとあまりソウルフルな要素はありません。ポップス向きのシンガーかもしれません。

本作では⑤「How Can I Be Sure」も有名な1曲ですね。邦題「高鳴る心」。ワルツのリズムに合わせて、美しいメロディが繰り広げられます。この曲はあまり好きになれなかったのですが、今回改めてじっくり聴いてみて、メロディが素晴らしいことに、今更ながら気付きました。こちらのヴォーカルはエディです。

本作には1曲だけカバー曲が収録されてます。それがスティーヴィー・ワンダーがヒットさせた「太陽のあたる場所」。⑩「A Place In The Sun」ですね。この曲、スティーヴィーのオリジナルとばかり思っていたのですが、違うんですね。
ラスカルズ・ヴァージョンはエディの熱唱が光る、これまたソウルフルなものです。ある意味、自分達のオリジナルのように聞かせてしまうところもあり、素晴らしいヴァージョンに仕上がってます。

そういえばドラムのディノ・ダネリにも振れておきましょう(笑)。この素敵なイラストジャケット、ディノの作品です・・・(もちろん彼のドラムもなかなかのものですよ)。

ちなみにこのラスカルズの世界がお気に召しましたら、私のコアのブログには、もっとマニアックなラスカルズのアルバムをレビューしておりますので。


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