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Creedence Clearwater Revival「At The Royal Albert Hall」(2022)

今日は祝日、文化の日ですね。そういう日でもあるので、急遽記事を書き上げてみました。

昨日、丸善に山積みとなっていたレココレ11月号。表紙はビートルズの「リヴォルヴァー」。ああ、例のアレの特集ね…ってことで立ち読みで済ませようと思い、頁をめくってみると、目に飛び込んできたのがCCRの記事。しかもドラムのダグ・クリフォードのインタビューが掲載されている!これは貴重と思い、購入してしまいました。

私は知らなかったのですが、CCRの1970年4月のライブ盤が最近発表されていたんですね。このライブ音源、1980年に発表されたものの、実はそれは違う音源だったということが分かり、結局本物の音源が今になって発表されたということらしい。

1970年のCCRといったら、人気絶頂期。彼等にとっても初のヨーロッパ・ツアーで、特に英国(ロイヤル・アルバート)には「敵陣に乗り込んでいく感覚だった」とダグは語ってます。
要はこのライブ盤、白熱した演奏が楽しめます。しかもYouTubeには当時の映像までアップされておりましたので、一部ご紹介致します。

当時の定番オープニング・ナンバーの①「Born On The Bayou」。
圧倒的に強烈なジョン・フォガティのヴォーカル、凄いです。それに比べて兄貴のトム、ステージ左端で淡々とリズムを刻んでおります。でもCCRはトムの安定感あるリズムギターの上に、ジョンが自由奔放に歌い、ギターを弾きまくっているんですよね。もともとCCRの前身は、トムのバックバンドとして3人が居た…という形態だったんですけどね(苦笑)。このトムとジョンの関係というのも非常に不思議ですね。
(ちなみにアップした映像はロイヤル・アルバートのものですが、音源は違うかもしれませんね。エンディングもフェードアウトしているし。)

ロックンロールの名曲の④「Travelin' Band」。
曲は単純なコード進行のロックンロールなのに、この凄みのあるジョンのヴォーカルに圧倒されます。
それにしてもシンプルなステージですよね~。演奏もシンプルだし、MCも殆どなし。でも実際にコピーするとグルーヴ感がうまく出せない。CCRの演奏はB級バンドっぽいんですが、そこがまたいんですよね。

恐らくCCRの曲の中でも、個人的なお気に入りの5曲に入る⑤「Fortunate Son」。
この曲はベトナム戦争での徴兵を逃れる金持ち息子を皮肉ったもので、骨太なCCRの姿勢がストレートに表れた1曲です。ダグのインタビューでも、「当時のラブ&ピースのムーブメントの中でもCCRは現実を見ていた。ベトナム戦争では多くの若者の命が亡くなった。CCRの音楽には目を覚ませ!というメッセージが込められていた」と語ってます。
こちらの演奏シーンもめちゃめちゃカッコイイ。ちょっと走り気味の演奏もいいですね。

言わずと知れた彼等の代表作の⑨「Proud Mary」。
アップした映像のステージを見て、この4人の立ち位置が面白いなあと感じます。左にリズムギターのトム、右にジョン、そしてリズム隊のスチュとダグが真ん中という立ち位置。リードヴォーカル&リードギターのジョンが真ん中じゃなくて、右端なんですね。トムは観客よりも、ずっとジョンを見ているみたいだし(笑)。
ちなみにダグのインタビューで、「雨を見たかい」はステージでは1回も演奏しなかったことを語ってますが、その理由を聞かれ、ジョンがすべての選曲を決めていたので、なぜかわからないと答えてます。このステージを見て、民主主義的なバンドと思いきや、全く違い、ジョンの独裁バンドだったということですね(皆さん、よくご存じとはおもいますが)。

リトル・リチャードの名曲のカバーの⑪「Good Golly Miss Molly」。
これも大好きなカバー曲です。熱い演奏に暑苦しいくらいのヴォーカル。いいですね~。

このライブアルバムはCCRお得意のスワンプ&ブルース的な楽曲も収録されてます。素晴らしいライブ盤ですね。

あ、ダグのインタビューですが、当時の日本公演にも言及してます。「すごく礼儀正しく、演奏中もあまり立ち上がって踊ったりしないから、ウケてないのかと思ったら、最後の曲が終わって、大歓声が起き、自分たちのショウを楽しんでくれたことが分かり嬉しかった」「その後、数百人のファンがクレイジーになり、私たちがホテルまで乗る予定だったリムジンを引っくり返したと知って驚いた」といった話をしております。
当時のファンって、そんな熱狂的だったんですかね。リムジンを引っくり返すって凄い…。

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