キリンジ「3」(2000)
当時よく聴いていたキリンジ。明らかにスティーリー・ダンのフォロワーと分かるようなサウンドは、洋楽ファンをも虜にするもので、個人的にお気に入りのバンドでした。
本作は、2000年発表。キリンジの3rdで、スマッシュヒット作。これ、よく聴いてましたね…。
キリンジとは1996年10月に実兄弟である堀込泰行(弟)、堀込高樹(兄)の2人で結成されたユニット。はっぴいえんど、スティーリーダン等から影響を受けたと思われる、非常に玄人受けする音楽をやってます。適度にポップで、適度に難解で、エバーグリーンな楽曲。これがキリンジの魅力ですが、この「3」が一番そういった側面をよく表していると思います。
まずは軽快なポップスの①「グッデイ・グッバイ」。作詞:堀込泰行、作曲:キリンジ。オープニングらしく力強いナンバー。ホーンだけ聴くとシカゴっぽい。
めっちゃファンキーな②「イカロスの末裔」は作詞作曲:堀込高樹。
かなりフィリーソウルからの影響大な楽曲。メロディが上下するし、リズム、跳ねてますね~。こういう曲、大好きです。
詞は相変わらず、意味不明。そもそもイカロスの末裔ってどういう意味なんでしょう。
ちょっとフォーキーな⑥「エイリアンズ」は作詞作曲:堀込泰行。
アレンジがかなり凝っているので分かりづらいですが、これをフォークっぽくアレンジすれば楽曲そのものはオフコースですね(笑)。詞はキリンジそのものですが、実はメロディアスなナンバーです。ホーンとか、タワー・オブ・パワーっぽい。
かなり怪しげな⑧「むすんでひらいて」は作詞作曲:堀込泰行。
ラテン・フレーヴァーたっぷりなナンバー。ともすると60年代後半のジェファーソン・エアプレイとか、サイケな時代のサウンドにも聞こえます。但しアレンジはもうちょっと聴きやすくしてますが。初期スティーリー・ダン的なサウンドとも言えますね。
私の大好きな⑨「君の胸に抱かれたい」。作詞作曲:堀込高樹。キリンジの楽曲のなかでも一番好きな曲。
どことなく70年代ポップス風な香りがします。ドラムの音がやけに古臭く聞こえるのも意図的かもしれません。ちょっとスペクター・サウンド的なソウル・ポップといったところでしょうか。
このアルバムには入ってませんが「乳房の勾配」「唐変木のためのガイダンス(これもいい)」等ヘンな曲名が多い、つまり歌詞が非常に変わっている、ていうのも彼等の魅力です。
アレンジも凝っているし、洋楽オンリー派でも「キリンジ」の楽曲は満足頂けるのではないでしょうか?
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