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Earl Klugh 「Earl Klugh」 (1976)

心地良い天気が続いて気持ち季節となりました…。
こういう時は、ついついフュージョンを聴いてしまいます。私のお気に入りはアール・クルー。昔からこの人のアコギは大好きなんですが、なぜか彼のファーストアルバムは日本CD化が遅れていたこともあり、長らく未聴だったのですが、7,8年前にブルーノート999シリーズ(名盤999円)が発売されたなかに、本作が含まれており、遅ればせながら購入。当時はコレばっかり聴いておりました。

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これがまた実にイイ! なぜ長らく国内CD化が遅れていたのでしょうね。
1曲目から引き込まれてしまいます。①「Las Manos de Fuego (Hands of Fire)」はちょっとラテンタッチな、爽やかなクルーとはまた違ったトーンの楽曲。
プロデューサーでもあるデイヴ・グルーシンの楽曲なので、オレの曲をトップに・・・とデイヴが考えたのかもしれませんが、正直デビューアルバム1曲目にしては渋い選曲。ただし聴き所は満載。ここではイントロのスパニッシュなクルーのギターに強烈なベースが絡んできます。この超グルーヴィーなベースはルイス・ジョンソン。そしてこのガンガン鳴ってるベースに堂々とクルーのアコギが絡んでいきます。アコギって線が細いというイメージがありますが、それを覆すようにこの曲をトップに添えたのかもしれません。

個人的には70年代ソウルが大好き。そんな中でもフィリーソウルの代表格であるスピナーズが好みなので、②「Could It Be I'm Fallling in Love」の選曲はGood!
アール・クルーの初期のアルバムには、数々の名曲のカバーが収録されているのですが、それはこのデビューアルバムからそうだったんですね。
ハーヴィー・メイソンの力強いドラムをバックにクルーのギターが自由に歌っております。

そしてクルーのもうひとつの魅力は彼のオリジナル。彼はカバー曲も素晴らしいアレンジでギターを奏でますが、オリジナルも素晴らしいのです。早くも3曲目でオリジナル登場です。③「Angelina」・・・。
実に優しいメロディです。午後、眠気を催す昼下がりに、まったり聴いていたい曲ですね。

本作収録のカバー曲は他に2曲収録されております。これがまた強力なナンバーです。まずは⑥「Laughter in the Rain」。これは二ール・セダカの大ヒット曲ですね。ニール・セダカと言っても50年代ロカビリーのニールではなく、ポップスの王道、70年代ポップスのニールです。この曲も大好きです。

そしてもうひとつのカバーがなんとジャズの名曲⑦「Waltz for Debby」。
よくギターでカバーしたものです。ご存知、ビル・エバンスの名曲。出だしとエンディングはクルーのソロで聞かせます。中盤はデイヴがアレンジするデビー。3部構成ですが、全編ロマンティックですね。

最後はやっぱりクルーのオリジナルで。そしてこの曲が一番クルーらしいかもしれません。⑧「Wind and the Sea」。風と海・・・ですか。タイトルを思い浮かべながらこの曲を聴くのもいいかもしれません。

う~ん、素晴らしい。アップした曲を聴くだけでもその良さはわかると思います。アール・クルーはブルーノートから3作、本作、「Living Inside Your Love」、「Finger Painting」の所謂3部作を発表。名アルバムを次々を発表していくのですが、もうデビュー当時から彼のスタイルって、出来上がっていたんですね。

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