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John Simon「John Simon's Album」(1971)

ジョン・サイモン。今や知る人ぞ知るって感じのアーチスト、プロデューサーとなってしまいました。

当時はザ・バンドの初期2枚のプロデュースや、ジャニス・ジョップリン、もっと遡ればサイモン&ガーファンクルなんかもプロデュースしている気鋭のプロデューサーでした。
そう、彼はウッドストック・サウンドの重鎮的存在だったのです。その彼が放ったソロアルバムが本作。

内容はといえば、フォーク、スワンプ、ジャズ、ジャグといった土臭い香りがプンプンするシブイ1枚。それから決して上手いとはいえないジョンのヴォーカル。これらに付いていけない人も結構多いのかも。
とはいえこのアルバム、ザ・バンドのメンバーやレオン・ラッセル、ジョン・ホールを中心としたサンダーフロッグのメンバー、リタ・クーリッジやボビー・ ホイットロック・・・といった豪華ミュージシャンが参加しております。

でも確かに最初に1曲目①「The Song of the Elves」の3連ロッカバラード、イントロのジョンの下手くそなヴォーカルを聴いてしまったら、萎えてしまいますね(笑)。この先、どうなるのだろう・・・と。
恐らくこのアルバム、名盤と聴いて飛びついて聴いてみたら、1発目でこの曲。もうこの時点で退散した方も多いかもしれません。

じっくり聴くといいんですけどね~。②「Nobody Knows」はジョンのピアノの弾き語り的な1曲。メロディが美しいです。

ザ・バンドのロビー・ロバートソンと共作した④「Davey's on the Road Again」(でもロビーはレコーディングには参加しておりません)。ドブロなんかも使われて、かなりノスタルジックなアレンジです。
ちなみにこの曲、マンフレッドマンズ・アース・バンドが見事なロック調にアレンジしてヒットさせてます。あまりにもカッコいいのでそちらをアップしますが、間違っても原曲がこんな感じとは思わないで下さい(笑)。

個人的には④からの流れを組む⑤「Motorcycle Man」が大好きです。
ドラムはザ・バンドのピアニストでもあるリチャード・マニュエル。ザ・バンドのドラマー、リヴォン・ヘルムをして「俺よりドラムが上手い」と言わしめた腕前を披露。結構タイトなドラムを叩いてます。イントロ、わずかですが、リムショットを効果的に叩いてます。意図的だとしたらなかなかのアイデアマンですね。

なぜかベン・フォールズの楽曲を連想してしまう⑦「Don't Forget What I Told You」。随所に絡んでくるジョン・ホールのギターがいいですね。

ちょっとポップな⑪「Railroad Train Runnin' Up My Back」。どことなくソフトロック的なメロディも持つ私好みの楽曲です。愛らしいコーラスはリタ・クーリッジでしょうか。

ザ・バンドが好きな方はマストアイテムだし、もちろんフォークやスワンプがお好きな方も是非、ご一聴下さい。


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