Kenny Loggins「Alive」(1980)
今回ご紹介するアルバムは、気分が楽しくなるようなパーティーアルバムです。そのアーチストはケニー・ロギンス。
80年代の洋楽世代にとってはケ二ー・ロギンスって「フットルース」のイメージが強すぎて、苦手な方が多いかと思います。
でも70年代のケ二ーは素敵でした。
ロギンス&メッシーナからソロ活動に・・・。ソロデビュー作「Celebrate Me Home」ではボブ・ジェームスと組んで、ちょっとフュージョンライクな感じの楽曲で勝負し、セカンド「Nightwatch」ではAORフレイヴァーたっぷりの香りを運んでくれて・・・。
AOR好きな私にとっては、この時代のケ二ーの楽曲って、かなり反応してしまいます。
そして初期3部作の後に発表されたのが、このライヴアルバム。
実はこのアルバム、10年以上前にブックオフで250円で放置されていたのを救出したもので、正直ケ二ーのライヴ盤ってどうなんだろうと疑いの目(耳)で見ていたのですが、実際に聴いてみると、これがすごいパワフルなんですね。当時の熱気が伝わってくる屈指のライヴアルバムの名盤です。バックの演奏&コーラスもしっかりしているし。だいたいジャケットからしてカッコイイですね。
アルバム2枚組、全18曲。最初からノリノリの名曲が続き、DISC2の前半でアコースティックな楽曲が収まり、最後はまたまたロックンロールなパーティソングが続きます。
1曲目を飾るのはデビューアルバムに収録されていた①「I Believe in Love」。ウィンドシンセが心地いいですね~。仮にケ二ーの楽曲をフットルースしか知らない方は、このサウンドを聞いて、びっくりされるのではないでしょうかね。ボブ・ジェームスと組んだだけに、ちょっとフュージョンタッチでいて、メロディがポップ。
アップした映像は画像は粗いですが、本作のライヴヴァージョンです。この時のケ二ー、カッコイイですね~。
そして2曲目にして、個人的にケ二ーの楽曲のなかで一番大好きな②「Whenever I Call You "Friend"」が続きます。
これはAORの名曲です…。全米第5位を記録した素晴らしい楽曲。スタジオ録音盤はスティーヴィー・ニックスとのデュエットですが、ここではバックミュージシャンがしっかりサポートしております。
イントロのアカペラから引き込まれますね。そしてこのコーラスが堪りません。
「Whenever I Call You "Friend"」はアルバム「Nightwatch」に収録されてますが、そのアルバムの曲順通りでいくと次は「Wait A Little While」って曲なんですが、このライヴでも3曲目は「Wait A Little While」なんですね~。
実はこの曲も大好きです。フルートがフューチャーされた、まさに目覚めの1曲に相応しいAORソング。
出だしの歌詞・・・♪ Here's a sweet September morning ♪ ・・・歌詞通りの世界が拡がってきます。この曲のファンも多いと思われます。
「What a Fool Believes」って曲はご存知ですか(ご存知ですよね)。あのマイケル・マクドナルドを擁するドゥービー・ブラザーズの大ヒット曲ですが、AORの超名曲ですね。この共作者がケニーであることはあまりにも有名です。
もともとマイケルは「What a Fool Believes」を書いていたのですが、どうもうまく仕上げられない。そこでケニーに共作を依頼し、あの名曲が仕上がったという逸話が残ってます。あのリフはどう見てもマイケル節ですが、この当時のケニーの歌を聴いてみても、結構AOR色が濃いので、「What a Fool Believes」でもかなりケニーは貢献していると思われます。
そして本作にもしっかりと⑤「What a Fool Believes」は収録されてます。でも私はやっぱりドゥービーのヴァージョンの方が好きですね。
ちょっとしたパーティソングもご紹介しておきます。それが⑥「Junkanoo Holiday」。
リズムはサンバ。ケニーロギンスバンドのドラマーはトリス・インボーデン。現、シカゴのドラマーですね。彼は結構テクニシャンで、このアルバムでも随所に小技を利かせてます。この曲でも巧みにリズムを刻んでますね。ちなみに「フットルース」のドラムもトリスです。
Disc1のエンディングは⑧「Celebrate Me Home」。
この曲は多くのケニーファンに愛されているナンバーなんですね。もちろんデビューアルバムのタイトルソングですが、感動的なメロディといい、ハートウォームな歌詞といい、ケニー節が満載です。
このライヴアルバムでは観客がサビを大合唱しております。黄色い声援も混じっており、如何にケニーが女性に人気があるかが分かります。
⑭「Love Has Come of Age」からはまたロックンロール・パーティが始まります。この曲はサードアルバムのトップナンバー。ケニーにしてはヘビーなロックです。かっこいいライヴ映像がありましたが、こうしたケニーも素晴らしい。
もう1曲、フットルースのイメージが強すぎる貴方に、ロックンロールな1曲をアップしておきます。これは本作では最後から2曲目に収録されてます。⑰「Easy Driver」。まあ、3連系の典型的なシャッフルロックンロールですが、当時はこうしたロックやAOR系を持ち味としていたケニーでした。
その後のケニー、個人的にはどうも好きになれないのですが、90年代以降は地味ながらも結構いいアルバムを作っているようです。
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