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オフコース「ワインの匂い」(1975)

大学生の頃、レンタルビデオ屋でバイトをしていたのですが、そのときオリジナルアルバム全シリーズ借りたアーチストがユーミンとオフコースでした。
特にオフコースは「ワインの匂い」から「Three and Two」までのアルバムがお気に入りです。

その「ワインの匂い」。1975年12月発表の初期のファーキーな部分とポップスが絶妙にブレンドされた名盤です。ジャケットがまた初々しいです。

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この当時、まだメンバーは小田さんと鈴木さんのデュオ体制で、2人の異なるカラーがよく現れてました。私は鈴木氏が作る曲も結構好きで、特に②「昨日への手紙」は美しいフォークソングで大好きな1曲です。
昔、よくこの曲をギターで弾いてました。もともとこの曲の詞は山上路夫氏が書いていたのですが、あまりにも曲に合わず、鈴木氏自身が書いたとのこと。ポール・マッカートニーが書きそうなフォーキーな小品ですね。

③「眠れぬ夜」は初期オフコースの代表作。この曲、もともとはバラードだったらしいのですが、プロデューサーの武藤敏史氏がアップテンポな今のスタイルに変えたとのこと。なんだかS&Gの「サウンド・オブ・サイレンス」を連想させる逸話ですが、やはりこのアップテンポなスタイルが商業的に受けたのでしょうね。
昔サークルの合宿のステージで、全メンバーが楽器を持ち替え、ドラマーだった私がアコギを持ち、リードVoを担当した思い出深い楽曲です。
ちなみに私は1980年の西城秀樹のカバーバージョンの方をリアルタイムに聴いてました。ですからこの曲がオフコースの楽曲であることを知ったときは、かなり驚きました。

それから名曲⑤「ワインの匂い」。秋の季節にぴったりの楽曲ですよね。このノスタルジックなメロディは秀逸です。久しぶりに聴き返しましたが、やっぱり名曲です。

鈴木氏のペンによる⑦「憂き世に」は、彼らしいリズミカルな楽曲。
この曲のドラムはなんと矢沢透です。誰かって??、アリスのドラマー、金ちゃんです(笑)。いいドラミングですね~。
クレジットには「Tawanji」という楽器もありますが、これはたわしとスポンジのことだそうです。

本作にはもう1曲、名曲が収録されてます。それは⑩「愛の唄」です。後のオフコース・ミュージックの原型がここにはある気がします。フォークタッチの初期からMOR的なポップスへの移行。この曲はその橋渡し的な楽曲。これまたメロディも秀逸ながら、そのアレンジもJ-POP黎明期のような素晴らしいものがあります。すてきな音楽ですね。

本作、初期の若々しさとオフコースらしいポップスがうまくブレンドされた名盤ですね。

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