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The Police「Reggatta de Blanc」(1979)

エイティーズ世代の私にとって、ポリスのリアルタイムは迷作(??)「De Do Do Do, De da da Da」からです。湯川れい子作詞の怪しげな日本語ヴァージョンも違和感なく聴いてましたね。
その後、私が洋楽にのめりこんでいた1984年、ポリスは超メガヒットとなった「Every Breath You Take」を発表。この曲だけ聴くと、ポリスの本質を見誤ります。幸いにも当時、遡って「Roxanne」や本作収録の「Message in a bottle」を聴いて、レゲエをロックに取り入れた独特のポリスサウンドに感動してました。

ポリスがデビューした1978年は、パンクのムーブメントを巻き起こしたセックス・ピストルズが解散し、「パンクは終わった」と言われていたときで、巷では新たな音楽に飢えていた時期でもありました。
そんななかで颯爽と現れたのがポリスです。ジャズ畑出身のスティング(Vo,B)、プログレバンドに在籍していたスチュアート・コープランド(Ds)、アニマルズに在籍していたアンディ・サマーズ(G)の3人組というシンプルな編成で、凄いテクニックに裏打ちされた独特の音楽、つまりレゲエをパンクロックに取り入れたスタイルが鮮烈で、彼等は瞬く間にスターダムに押し上げられます。

本作はその翌年、1979年に発表された彼等のセカンドアルバムです。邦題は「白いレガッタ」。
なんといっても大ヒット曲①「Message in a bottle」がかっこいい。スティングの独特の高いハスキーヴォイス、アンディのアルペジオを駆使した乾いたギター。そしてスチュアートのパーカッシヴなドラム。どれもが極めて個性的で、究極のスリーピースバンドだと思います。
そんななかでもスチュアートのドラムプレイが光ります。彼のドラムスタイルはリムショット、ハイハット・シンバル、タムを非常に効果的に叩くところにあります。また乾いたスネア音や、思いっきり前のめりに突っ走るプレイも特徴的ですね。
例えば「Message in a bottle」のサビ前のプレイ。イントロのスネアの前のめり具合はご愛嬌としても、ハイハットワークは特徴的だし、スネアと一緒にトップシンバルを打っていたり、かなり手数が多いですね。曲中のタムの入れ方も味があります。

アルバムタイトル曲②「Reggatta de Blanc」。
もうイントロからしてスチュアートのリムショット攻撃で堪りません。スティングの雄たけびに近いヴォーカルもかっこいいです。曲の後半はもう止められない、ドラムが走りまくります。

スピーディーな③「It's All Right For You」。恐らくこれをコピーしてもこんなノリは出せないでしょう。
曲自体は平凡なロックなので、素人バンドがコピーすると面白みのない出来になると思われます。この3人だからこそ、めちゃくちゃかっこいい曲に仕上がるんですね。ここでもスチュアートのドラムプレイが光りますね。

④「Bring On The Night」や⑥「Walking On The Moon」といったオフビートなノリ、スローなノリは、いかにもスティングが好きそうな曲ですね。

特にこの当時のポリスはかっこいい。本作ジャケも最高。しかも相当テクニックを有するバンドですよね。

ポリスは2007年に再結成されております。以下当時の記事を引用。
【5月29日 AFP】1984年から活動休止していた英国の伝説的ロックバンド「ポリス(The Police)」が再結成し、バンド結成30周年を記念してワールド・ツアーが27日からスタートした。最初の公演会場であるバンクーバーでのコンサートは30日まで行われる。(c)AFP/Getty
(但し後にスティングはこの再結成を悔やんでいると語ってます)

↓これはデビューアルバムに収録されている「So Lonely」ですが、気になったのでアップしておきます(有名なPVですね)。なんとロケ地が日本、しかも都営浅草線です。サングラス姿のスティングがやけに怖いです。まわりの日本人が妙によそよそしいのが印象的です(笑)。70年代後半、こんな外人3人組が、変なトランシーバーを持って、いきなり車中に乗り込んできたら、通常の人間でしたら目線をそらしますよね。


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