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Cream「Wheels of Fire」(1968)

60年代のスーパーバンド、ご存知、クリームエリック・クラプトンジャック・ブルースジンジャー・ベイカーという熱き3人のスターが組んだバンドですね。

もともとはドラムのジンジャー・ベイカーがエリック・クラプトンを新バンドに誘ったのが発端ですが、その時、同じバンドだったジンジャーとジャック・ブルースは犬猿の仲だったのです。それが、その事実を知らなかったエリック、「ジャックがバンドに加わってくれるならイイよ」と回答したとか・・・。
もちろんジンジャーは相当驚いたらしいです(笑)。
元々犬猿の2人(ジンジャーとジャック)がバンドを組んでしまったので、当然クリームは活動期間2年半と短いものでしたが(逆に言えばよく2年半も活動できた・・・とも言えますね)、その影響力は絶大でした。

今回アップしたアルバムはクリーム3枚目のアルバム、そしてスタジオ録音&ライヴ録音の2枚組アルバムというユニークなものです。

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2枚目のライヴアルバムの方は全4曲(!!)。「Crossroads」「Spoonful」「Traintime」「Toad」という布陣。このライヴアルバムについては個人的好みが大きく分かれるでしょう。3人の熱きバトルが聴きたいということであれば、これほど打ってつけアルバムもないでょう。
中学時代にこのアルバムに接した私は、正直このライヴの方(LPでいえばC、D面)、ほとんど聴いてませんでした(苦笑)。まあせいぜい4分弱の強力なリフの「Crossroads」を聴くくらいでしたね。
そして今も実はあまりこっちの方は聴いてません。やっぱりポップス少年にとってはこっちはキツイということでしょう。

で・・・、スタジオ盤の方ですが、こちらはやはり秀逸。聴きどころ満載ですね。
まずは超超有名曲の①「White Room」。リフも強力だし、ジャック・ブルースはいい曲書きますね。
それから個人的にはジンジャー・ベイカーのドラムはあまり好きではありません。あの容姿と、ドカドカドラムと・・・(苦笑)。すみません、全くの個人的な「なんとなく」嫌いというやつです。
当然ライヴバージョンの映像をアップしておきます。

ジンジャー・ベイカー作の③「Passing The Time」は、なかなかユニークです。
間に穏やかなメロディを挿入した組曲。プロデューサーのフェリックス・パパルディの力量が大きいのかな。彼は「4人目のクリーム」と言われた程の人物ですから。

フォーキーな④「As You Said」は力強いアコギのカッティングとストリングス(メロトロンっぽい)の絡み具合が素晴らしい。メロディもミステリアスです。
レッド・ツェッペリンの3枚目のアルバムに収録されていそうな楽曲。またなんとなく後のデヴィッド・ボウイの「スターマン」を連想させるようなアコギ&ストリングス。いや、ボウイは絶対に「As You Said」から影響を受けていると思います(何の確証もないですが・・・^^)。

⑤「Pressed Rat & Warthog」は語りをメロディにのせていくもの。
私の大好きなモンキーズでも、こうした歌うのでなく、語る楽曲ってありましたね。コレ、ジンジャー作ですが、語っているのはジンジャーでしょうか。やっぱりジンジャー、好きになれないなあ~(笑)。

やはりジャック作の⑨「Deserted Cities Of The Heart」、これもカッコイイです。
アップした映像はなんと2005年の再結成映像。ジンジャー、怖いくらいに老人ですね。
冒頭申したとおり、ジンジャーとジャックは不仲だった筈ですが、こうして時を経て、楽しくお互いが演奏出来るなんて素晴らしいことですね。
ちなみにこの映像の観客もえらいシニアが多いです。

やっぱりいいアルバムですね。
スタジオ録音盤の方は全9曲。実はエリック・クラプトンは1曲も提供しておりません。以降のエリックのキャリアを考えると意外ですが、2曲、ブルースのカバーが収録されてます。この2曲はエリック主導の下に録音されたものなのでしょうかね。

本作は1968年8月に発表され、同年11月のイギリス公演を最後に解散します。実は7月に正式に解散発表してますので、本作が発表されたときは、既にクリームは解散することが決まっていたんですね。
そしてエリック・クラプトンとジンジャー・ベイカーは、スティーヴ・ウィンウッドとリック・グレッチを加えてブラインド・フェイスを結成するのでした。

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