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TOTO「TOTO IV」(1982)

あまりにも有名なTOTO4枚目のアルバム。本作はホント売れまくりましたね。MTVが始まりだしたころ⑩「Africa」のビデオがオンエアされまくってました。
サイパンの洋楽専門日本語放送「KYOI」のことを考えていたら、そういえば「Africa」もよくオンエアされていたのを思い出し、改めて本作を聞きなおしていたところです。

私がリアルタイムでTOTOを初めて聞いたのは、本作の曲ではなく、この前の作品、「Turn Back」のなかに収められている「Goodbye Elenore」です。この曲、強烈です。当時シャッフルビートをここまで激しく叩くドラムは聞いたことがなく、非常に驚き、興奮しました(未だにこの曲は私のフェイバリットソングです)。また「Turn Back」のジャケットも新鮮で、子供心をくすぐったものです。

さて、本作ですが、アルバムの完成度が非常に高いですね。結果的に本作でTOTOはグラミー賞を受賞するわけですが、当初メンバーも流石にそこまでの結果は予想していなかったと思います。

TOTOといえばやっぱり①「Rosanna」。デヴィッド・ペイチ作。
この曲はシングルでも大ヒットしましたが、とにかくジェフ・ポーカロのドラムが凄い。イントロの3連フィルインから、軽快なシャッフルビート。ハーフタイムシャッフル…、ジェフはこのリズムを『バーナード・パーディの「バビロン・シスターズ」のリズムパターン、ジョン・ボーナムの「フール・イン・ザ・レイン」のリズムパターンをミックスし、バスドラムはボ・ディドリーのリズムを取り入れた』と語ってます。
個人的にはエンディングのスティーヴ・ルカサーのハードなギターソロのパートもTOTOらしいなあと感じます。

当時は好きになれなかった③「I Won't Hold You Back」。スティーヴ・ルカサーの単独作であり、スティーヴの名唱が楽しめます。
当時はリード・ヴォーカルにボビー・キンボールがいるのに、なぜ根っからのハードロッカーのルークがこんな曲を自ら歌うのか!と思ったものです。でもギターソロもカッコいい…。やっぱりルークは目立ちたがり屋なんですね(笑)。

「Goodbye Elenore」が大好きな私としては、やっぱり⑥「Afraid Of Love」から⑦「Lovers in the Night」の流れが大好き。⑥はルークにデヴィッド・ペイチ、ジェフ・ポーカロの共作。⑦はデヴィッドの単独作。
この2曲のメドレーの当時のライヴ映像をアップしておきます。この時点ではベースはデヴィッド・ハンゲイトからマイク・ポーカロに代わってますね。
両曲ともにハードナンバー。「Afraid Of Love」はルーク、「Lovers in the Night」はデヴィッドがリードヴォーカルだったんですね。ボビーの立場は(笑)。
この両曲のメドレーの繋ぎ部分、さすが演奏技術が抜群なバンドだけあって、ピッタリ息が合ってますね。そして「Lovers in the Night」のエンディングの激しさ、煽りまくるジェフのドラム(映っていないのが残念)。
ちなみにこの映像、途中で日本語が入ってくるので、TV放送されたものなんですね。こんな凄い映像がTV放送されていたとは驚きです。

本作では地味なナンバーですが、⑧「We Made It」も大好きなナンバーです。ジェフのストレートでタイトなドラムが大好きなんですよ。こちらもジェフは作曲に参加、デヴィッドとの共作です。
このハイトーンのリードヴォーカルはボビーですね。TOTOはやっぱりボビーの歌声が似合います。

エンディングは有名な⑩「Africa」。こちらもリズムが特徴的な名曲。この当時のTOTOはドラムのジェフも音楽的にイニシアティブを握っていたものと思われます。ジェフとデヴィッドの共作。
AORでもない、ハードロックでもない、商業ロックでもない、独特のTOTOサウンド。80年代ロックの名曲ですね。

本作制作途中でデヴィッド・ハンゲイトがセッションミュージシャンに戻るために脱退。またボビー・キンボールも脱退してしまいます。個人的にはこの当時のメンバーが最高なTOTOのメンバーかなと思ってます。

また私の永遠のフェイバリット・ドラマーの一人であるジェフ・ポーカロは1992年8月5日、逝ってしまいました。ジェフのプレイは、ロック史上最高のドラマーのものだと未だに思ってますし、本作はジェフのドラマーとしてだけでなく、ミュージシャンとしての力量が発揮された最良な1枚と思います。

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