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Marc Jordan「Blue Desert」(1979)
マーク・ジョーダンのセカンドアルバム。デビュー作品はゲーリー・カッツのプロデュースでこれもまた屈指の名盤です。ただAOR好きはジェイ・グレイドンのプロデュースによる本作がお薦め。
この後のマークはなぜか商業的にはあまりぱっとしないのですが、これら2作品は世紀の名盤と思ってます。
さて本作品。このCD帯には「しゃれたシティ感覚が眩しい、マーク・ジョーダンのセカンド・アルバム」とありますが、まさにその通り。ただしランディ・グッドラムの名盤「Fool's Paradise」がエリオット・シャイナーのアルバムと云われるように、この「ブルー・デザート」もジェイ・グレイドンのアルバムと言ってもいいかもしれません。ジェイのプロデュースに集まったメンバーが凄い!
Guitar:Steve Lukather、Ray Parker Jr.、Dean Parks,
Bass:Abraham Laboriel
Drums:Jeff Porcaro、Ralph Humphrey、Jim Keltner
Key:Michael Omartian、Greg Mathieson、Steve Porcaro
Sax:Ernie Watts
Cho:Bill Champlin、Bobby Kimball、Tom Kelly、Marcy Levy
まずはジェイ・グレイドンのアレンジと分かる①「Generalities」。
ミディアム・テンポのナンバーですが、イントロから心地よい。間奏のアーニー・ワッツのサックスも爽やか。サビのロックしているギターはスティーヴ・ルカサーっぽいですが、ここではレイ・パーカーJrとディーン・パークスがリズムギターを担当してます。
ジェイ・グレイドンがギターを弾きまくる②「I'm a Camera」。私の大好きなAORナンバーです。ジェイのギタープレイは、スティーリーダンの「ペグ」か、この作品がベストと云われてます。間奏のジェイのギターソロ、青空を突き抜けるような伸びのあるギタートーンが素晴らしい。ちょっとタイトなドラムはジェフ・ポーカロのプレイ。後半で聴かれるソウルフルな女性コーラスはヴィネット・グラウド。エンディングでも最後の最後までジェイがソロを弾きまくってます。
④「From Nowhere to this Town」は完全にTOTOの世界ですね。
TOTOというよりも、ちょっとソウルフルなマークのヴォーカルはボズ・スギャックスに近いかもしれません。こうしたロックチューンはジェフのドラムがお似合い。またここでのジェイのギターソロもカッコいい。後半から入ってくるボビー・キンボール、トム・ケリー、ビル・チャップリンのゴールデントリオのコーラスも凄い!!
メロウな⑥「Lost in the Hurrah」。
ここではオーバープロデュースにならず、楽曲の良さをうまく引き立ててます。間奏でのチャック・フィンドリーのフリューゲル・ホルンが実に味わい深い。ジェイ・グレイドンというとロック色の濃いイメージですが、ここではマークのライティングセンスを生かしたプロデュースに徹してます。
ポップな⑧「Tattooed Lady」も結構お気に入りのナンバー。
エイブラハム・ラボリエルのチョッパーベースがアクセントになってますが、本作中、一番ポップなナンバー。
この当時のジェイ・グレイドンは本当にいい仕事してますね。この他にスティーブ・キップナーのアルバム、マンハッタン・トランスファー、アル・ジャロウの数枚。どれも爽やかなAORという感じです。本作品は言葉は悪いですが、マーク・ジョーダンというアーチストをうまくアレンジした、ジェイの作品という気もします。このアルバムについてはマーク本人もそういった言い方をしていますね。
AOR好きでこの作品を聞いたことがない方は、是非聞いてみてください。
この作品、未だに私のドライブに欠かせないものとなってます。
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