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Les Dudek「Les Dudek」(1976)

急に朝晩寒くなってきましたね。つい先日まで、暑い、暑いと言っていたような気がするのですが、時が経つのは早いものです。
さてさて、今回は以前から気になっていた1枚。レス・デューデックのファーストです。サザン・ロックとAORを融合したアルバムとして有名で、参加ミュージシャンは後にTOTOを結成するジェフ・ポーカロ、デヴィッド・ペイチ、デヴィッド・ハンゲイト、他にチャック・レイニーやデヴィッド・フォスター等、スゴイ面子。そしてプロデュースはボズ・スギャッグスとくれば、聴かないわけにはいかないでしょう。

オールマン・ブラザーズ・バンドの1973年の名作「ブラザーズ&シスターズ」で一躍注目を集めたのがレス・デューデック。名ギタリストのデュアン・オールマンが亡くなり、その後釜は誰も務められないことから、ゲストという形で数名ギタリストが参加したのが「ブラザーズ&シスターズ」。マッスル・ショールズのセッション・ギタリストだったレスですが、当時からデュアンの再来とも云われており、「ブラザーズ&シスターズ」を聴いたボズが、レスをツアー・メンバーに招聘したのは有名な話。ボズの「シルク・ディグリーズ」にもレスは参加しております(当時の日本のライナーノーツには、後にTOTOを結成するメンバーよりも、レスに注目している記述があります)。

そんなレスが満を持して発表したのが本作。全作レスの作品。彼のギターテクはもちろん、彼の非凡な作曲能力も感じさせる1枚です。
強力なオープニングナンバーの①「City Magic」。イントロのカッティングギターからスリリング。どことなくオールマン・ブラザーズ・バンドやドゥービー・ブラザーズを彷彿させる作風。そしてやっぱり印象深いのはジェフの力強いドラムですね。特に間奏のギターとドラムだけになるパートは強烈。

個人的には強烈なサザンブギーはあまり好きではありませんがこの曲②「Sad Clown」だけは別。
とにかくレスの弾くスライドが強烈過ぎます。レスと言えばスライド・ギターが有名ですが、本作ではこの曲だけでしかスライドを弾いてません。だからこそ余計に強烈な印象を残します。凄いスライドギターのプレイを聴くならこの曲をおススメします。

後にTOTOを結成する3人とレスの強力なバトルが聴ける③「Don't Stop Now」。
途中のリリコンはトム・スコット。こちらもジェフとデヴィッド・ハンゲイトのリズム隊が迫力満点。レスのギターとトムのリリコンのソロの応酬、これはなかなかの名演です。

本作にはバラードも収録されております。それが④「Each Morning」。
単なるバラードではなく、ここで聴かれる泣きのレスのギターはもちろん、メロディも素晴らしい。

せっかくなのでチャック・レイニー(B)の客演が光る楽曲もアップしておきます。それがエンディングの⑧「What A Sacrifice」。
曲の雰囲気は昔のスティーリー・ダンと土臭いボズを合わせたような楽曲。気のせいかレスのヴォーカルもボズっぽい。後半のジェフのドラム、チャックのベース、フォスターのフェンダー、レスのギターの絡みが鬼気迫るものを感じさせます。

やっぱり好盤ですね。レスのギターとジェフのタイトなドラムが印象に残る1枚。レスのセカンドはまだ未聴ですが、こちらも名盤らしいのでチェックしたいと思ってます。

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