見出し画像

The Lovin' Spoonful「Do You Believe in Magic」(1965)

私の敬愛するジョン・セバスチャン率いるラヴィン・スプーンフル
私が所有している彼等のCDは2in1のCDのもの。そもそも2in1のCDなど邪道だと思っている私ですが、安さに釣られて購入した記憶が…。この2in1、なぜか「Do You Believe in Magic」と「Hums Of  the Lovin' Spoonful」」といったファースト、サードのコンビ。なぜセカンドアルバムを外したのでしょう。
でもそのお陰でファーストとサードの差異を十分感じることが出来、ファーストの荒々しさが逆に魅力的だったりします(一般的にはこのサードアルバムが彼らの最高傑作でしょうね)。

そのファーストアルバム、彼らがブリティッシュ・インベイジョンに対するアメリカの良心的回答と評されることがよく分かる内容となってます。それは一般的に思われているジョン・セバスチャンが書くドリーミーなポップスだけでなく、ブルース、ロックンロール、フォークも彼らなりにうまく昇華しているもので、非常に初々しいですね。

とはいえラヴィン・スプーンフルは、やっぱりジョンの書くオリジナルに抜群の個性が発揮されており、それらは未だに語り継がれるべくポップスばかりですね。
そしてその代表作であり、ファーストアルバム・トップナンバーが①「Do You Believe in Magic」。この楽曲のタイトル・テーマが、彼らの最初のナンバーであることに非常に運命を感じます。このバンドの活動期間は非常に短いのですが、それでも極論ですが、この曲だけでも彼らの存在意義は十分であったと思ってしまいます。
歌詞の内容については多くの方々が言及されてますので、ここでは映像だけをアップしておきます。

⑤「You Baby」はバリー・マンとシンシア・ウェル、そしてフィル・スペクターの作品。オリジナルはロネッツですね。歌うはドラムのジョー・バトラー。デビュー前にラヴィン・スプーンフルを見たフィル・スペクターが、彼らを自身のレーベルからデビューさせようとしたことは有名な話。いつもフィルが見に来ると、彼らはこの曲を演奏したそうです。

このアルバム2曲目のジョン・オリジナル作品の⑦「Did You Ever Have to Make up Your Mind?」。
ユーモアセンス溢れるメロディに、オルガンが愛らしい。荒々しいロックに混じって、こうした楽曲が収録されていると、妙にホッとしてしまいます。

ジョンのオリジナルの⑩「Younger Girl」。スプーンフル流フォークソングといったところでしょうか? 
アコースティックタッチの素晴らしい1曲。シングルカットはされてませんが、彼らのベスト盤には概ね収録されてます。でも恐らくベスト盤のような華やかな作品集のなかにおいては、この地味なフォークソングは埋もれてしまうかもしれません。この青々しいファーストに収録されてこそ、この曲は映えるのかもしれませんね。

本作4曲目のジョン・オリジナル作品の⑪「On the Road Again」。いわゆるロックンロールです。
しかもジョーのドラムがやたらと走りまくり、フィルインなど全くリズムがもたれてしまってます(笑)。収録時間があまり無かったのでしょうか。彼らは決して演奏が下手なバンドではなかったと推察されますが、ここでの演奏はラフですね~。

私の購入したアルバムには表記がありませんが、エンディングトラックの⑫「Night Owl Blues」は確かメンバー4人の共作。ブルージーなインストです。デビュー前に演奏していたニューヨークのクラブ「Night Owl」に対する思いが籠もったナンバーです。これを聴くと、軟弱な彼らのイメージが吹き飛ばされます。

全体的には荒削りな部分の多いデビューアルバムですが、この当時の、ブリティッシュ・インベイジョンに対する回答として、バーズと並び称されるアメリカを代表するバンドと言われた理由が良く分かります。
そしてこの2in1CDのもう一枚のサードアルバムには、音楽の魔法が詰まったポップス集となっております。いずれご紹介したいなあと思ってます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?