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Def Leppard「Pyromania」(1983)

この作品を初めて聴いた当時、私は中2から中3へ進級する頃でした。レインボーやマイケル・シェンカー・グループ、オジー・オズボーン等が一世を風靡していたなか、このデフ・レパードは私のなかでは最上級に位置するFavoriteなグループで、特に本作はLPが擦り切れる位、聴きましたね~。

1978年に結成されたデフ・レパードは、1981年発表の2ndアルバム「High 'N' Dry」で、プロデューサーにRobert John "Mutt" Langeを起用。そして1983年、同じくRobert John "Mutt" Langeをプロデューサーに迎え、アメリカ・マーケットを意識した本作を発表します。本作制作途中にはギターのピート・ウィルスが脱退。旧知の間柄の、元ガールのフィル・コリンがその穴を埋めます。

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覚えやすいギターリフ、ポップなメロディーライン、分厚いコーラス、チープ・トリックをもっと骨太にしたようなロックで、デフ・レパードは本作にて一般大衆に訴求していきます。そして全世界で1000万枚も売れまくったモンスターアルバムとなったのです。当時のMTVブームもヒットした原動力だったかもしれません。なんせフィル・コリン、イケメンですから^^。
(ちなみに同時期にマイケル・ジャクソンの「スリラー」が大ベストセラーを記録、1位をひた走っていた頃で、本作はその影響から全米最高第2位どまりとなってしまいました・・・)

そのキャッチーなメロディはロックしている①「Rock Rock (Til You Drop)」でも垣間見られますが、やはりなんといっても②「Photograph」が素晴らしい。確かこの曲はシングルヒットもした名曲です。イントロからベースとサイドギターが加わってくるところが何とも言えずかっこいい。そしてそのキャッチーなサビ・・・、いいですね。
私がロックに目覚めた1曲です。フィル・コリンのギターソロは、当時よくエアギターしたものです(笑)。そしてその数年後にはバンドでもコピーしました。
アップした映像、懐かしいですね。

ハードロックバンドらしいナンバーの③「Stagefright」。この楽曲はライヴ映えがするので、1988年のライヴ映像をアップしておきます。ちなみにこの映像のステージ、リックのドラムを中心に据えて、その周り(後ろも含めて)をメンバーが行ったり来たりしてます。このツアーは彼等にとっても印象深いものだったと思われます。リックの件は後述します。

哀愁漂うイントロの⑥「Foolin'」も彼等らしいメロディで、これもヒットした記憶があります。
♪ F・F・F・Foolin' ♪ というサビが妙に耳に残ります。やはりこうした楽曲なんかは他のハードロックバンドには作れない、デフ・レパード独自のものですね。

私の大好きな⑦「Rock of Ages」。怪しげな台詞に続く“タメ”のあるリック・アレンのドラム、それに続くリズム・ギター、そして重厚な厚いコーラス。このミディアムテンポのロックもデフ・レパードならでは。リックのドラムは決して派手ではないのですが、安定したリズム感を持つドラマーです。

尚、皆さんよくご存知のように、1984年12月31日にリック・アレンは左腕を切断する交通事故に見舞われます。ドラマーにとって致命的な大事故と誰もが思ったなか、リックは片腕でドラムを叩く努力をします。執念ですね・・・。そしてそれを迎え入れたメンバーもスゴイ。リックは片腕のドラマーとして再デビューを果たします。その時のステージは「Stagefright」でアップした映像の通りです。当時はこの美談に感動したものです。

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デフ・レパードは個性が強い業界内にあって、メンバーが比較的固定化されている極めて稀なバンドです。それはこうした出来事があったが故の結束の堅さの表れなのかもしれません。リックの執念のドラムのお蔭もあり、次作「Hysteria」は本作を上回る大ヒットを記録していきます。

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