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Jerry Corbetta「Jerry Corbetta」(1978)

私のような雑食派にとっては、皆が知らないような、でも聴いてほしいアルバムを紹介するのが一つの義務だと思ってます(そんな大げさなものでもないですが…)。

本作の主人公、ジェリー・コルベッタ。一体どれだけの方がご存知でしょうか?知っているという方はよほどのAORマニアですね。私は未だにこのアルバムをブログで紹介されている方を見たことがありません。

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ジェリーはもともとは1970年にデビューしたシュガーローフというロックバンドのリーダーであり、同年「Green-Eyed Lady」が全米トップ3に入る大ヒットを記録しています。この原曲は知りませんが、本作⑦にセルフカバーが収録されてます。

さて本作はそのジェリーの記念すべきソロ第一弾アルバムです。プロデュースは60年代ポップス、ダンヒルなんかで著名なスティーブ・バリ!。そして曲の共作メンバーにはフォー・シーズンズに楽曲を提供していた、あのボブ・クルーの名前も!
ポップス好きの私としてはこれだけで食指がそそります(笑)。

でも実はこのアルバムを聴くきっかけとなったのは、そういった面子を知ってからではなく、⑥「I Wish That I Was Making Love (To You Tongiht)」をあるサンプル盤で聴いて、あまりのAORポップス度の高さに感動したからなんです。
この曲のソロ、すぐ分かります。そうです、ジェイ・グレイドンなんですね~。日本人好みの甘酸っぱいメロディにジェイのメロウなギターソロ。私の大好きな1曲です。

⑥のメロウポップスと同じ香りのする②「If I Never Had Your Love」も大好きです。
これもいい感じにジェイのハーモナイズド・ギターが登場しますが、楽曲がいいので、ジェイの色には染まってませんね。AOR屈指のメロウポップスだと思います。
ちなみに中田利樹氏のライナーノーツによると、ジェイはこの曲を聴いて、デヴィッド・フォスターに向かって「デヴィッド、この曲を聴いてみろよ、実にいかしたコード進行だぜ」と言ったらしいです。 でジェイはこの後スティーヴ・キプナーのアルバムを制作しますが、確かにスティーブ・キプナーにも通じる音ですね。

このアルバムのオープニングナンバー。印象深いピアノのリフで始まる①「Sensitive Soul」も同じ系統のAORポップスです。この①と②、⑨がボブ・クルーとの共作ですね。

本作発表後、ジェリーはフォーシーズンズに加入します。やっぱりポップスが好きなんですね。

本作は⑥だけでも聴く価値があるかと思います。AOR、ポップス好きな方は是非機会があれば聴いてみて下さい。

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