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Dokken「Tooth and Nail」(1984)

LAメタル界のギターヒーロー、ジョージ・リンチが光るメタルの名盤

今回ご紹介するのは80年代LAメタルの代表格(商業的ヒットの代表格という意味ではなく、実力的な代表格という意味です)、ドッケンの日本デビューアルバムです。ドッケンとしてはセカンドアルバムですね。
これもリアルタイムにチェックしてましたが、当時中坊だった私の心にはあまり響かなかったようです。最近、とあるエピソードをきっかけに、このアルバムをチェックしたのですが、いいんですよね~、これが。

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さて、そのエピソードですが・・・。ランディ・ローズ無き後、オジー・オズボーン・バンドに助っ人的に加入したのがブラッド・ギルス。そのブラッドの後釜にジェイク・E・リーが加入した訳ですが、実はオーディションではドッケンのジョージ・リンチが受かっていたという話。ただしシャロン・オズボーン(オジーの奥さん)が「遅刻するような人は失格」と、ギターの腕前よりも人間性でジョージを落とし、代わりにジェイクを採用したらしい(ジョージは髪が短いという理由で落としたという説も)。                        ちなみにジェイクとラットのウォーレン・デ・マルティーニはルームメイトだったこともあり、更に・・・、ジョージがオジーのオーディションを受けている間、ドッケンはジョージの代わりにウォーレンをメンバーに引き入れ、ジョージはジョージで、そのオーディション後、ラットに加入することになっていた。で、結局それもヘンな話なので、ジョージはドッケンに戻り、ウォーレンはラットに加入した・・・ということがあったらしいです。如何にもLAメタルの狭い世界を現したエピソードですね。
ジョージ・リンチはそんなLAメタル界にあって、かなり師匠的な存在だったみたいです。

そんな素晴らしい力量を持ったジョージの渾身の1枚が本作。ドッケンはドラムもベースも上手い!(あ、もちろんヴォーカルのドン・ドッケンもですが・・・)
イントロダクション的な①「Without Warning」からして叙情的なギターインストで素晴らしいです。わずか1分30秒強ですが、やたらと弾きまくるイングヴェイのギターより、ずっとジョージのギタープレイの方がエモーショナルですね。

そしてこの流れから畳み込むように②「Tooth and Nail」へ。実にスリリングです。そしてこの曲、とにかくジョージ・リンチのギターがやたらとスゴイ!弾いて弾いて弾きまくるギターソロ。ドラムのツーバスもガンガン響いてくるし、典型的なLAメタルですが、力量が違います。

セカンドシングルとしてヒットした③「Just Got Lucky」。典型的な当時流行ったLAメタルサウンドです。でもこれがいいんですよね。懐かしいです。PVも安易な作りで、今見ると笑えるんですが、皆、美形ですね。なんだかジョージはリマールみたいだし(笑)。

男は黙ってハードロック。イントロからそんな感じのする⑤「Don't Close Your Eyes」。ギターのリフがカッコ良過ぎです。

ファーストシングルは言わずと知れた⑦「Into the Fire」。めちゃくちゃチープでB級なPV。もちろん金髪女性が踊ってます(笑)。これぞMTV創成期の作りですね。でもこのPVは全く記憶にありません。
このバンドの特徴は演奏が相当上手いということと、コーラスも上手いということ。この曲は彼らの良さが存分に発揮されてます。

最後にデビューアルバムに収録されていた「Paris Is Burning」の貴重なライブ映像をアップしておきます。若き日の短髪のジョージ・リンチ。当時はバイトの関係で短髪にしていたらしいですが、まあ~、確かにメタラーには見えません。観客のノリも正直イマイチです。でも演奏だけは妙に白熱してますよ(特にドラム)。もちろんジョージも素晴らしい。



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