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U2「WAR」(1983)

2007年7月号のレココレ「80年代ベスト100」において、堂々の19位にランクした名盤。音楽評論家の北中氏曰く「質実剛健なロックを聞いたという満足感は彼らのアルバムの中でも特に高い」とのこと。なるほど、私もU2に質実剛健なロックを求めている…と、妙に納得してしまいました。

もちろんこのアルバムの発表当時、リアルタイムに洋楽を聴き漁っていたので、彼等の代表曲となった①「Sunday Bloody Sunday」や③「New Year's Day」はよく聴いてましたね。

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U2の初期の代表的なアルバムでもある本作は、彼等のサードアルバムです。プロデュースはスティーヴ・リリーホワイト。

久しぶりに①「Sunday Bloody Sunday」を聴きましたが、やっぱり熱くなります。当時もこの曲が北アイルランド紛争の「血の日曜日事件」を題材とした楽曲と知っていたのですが、如何せん当時中学生であった私にはあまりピンと来てなかったと思います。
アップしたライヴ映像を改めてみると、彼等の真面目でまっすぐな姿勢がよく伝わってきます。そして今もU2はブレてませんね。やっぱり彼等の信念は本物なんです。

③「New Year's Day」もアップしておきます。
U2といったら、このサウンドですよね。凍てつくような雪中の風景、PVの風景そのものを連想させます。

当時はこのアルバムを聴かずにスルーしていたのですが、やっぱり前述の2曲以外も素晴らしい。もっと早くこのアルバムを聴いておくんだった・・・と。
②「Seconds」は核戦争を題材にしてますが、ギターのエッジが一部リードヴォーカルを取ってます。
とにかくこのエッジ、今までに聴いたことがないようなギターを弾きます。今聴いても、そのギター奏法は新鮮であり、如何に効果的に楽曲を盛り上げるか、よく分かっているんですね。

ラリーの強烈なドラムが印象的な④「Like a Song」も個人的にお気に入りです。
エンディングでのラリーのドラム、やたらと音がうるさいですね(笑)。とにかくパワフルなU2サウンドが聴けます。このラリーのドラム(とくにスネア音)とエッジの乾いたギター音が初期U2サウンドの特徴となってます。もちろんドラム音はプロデューサーであるスティーヴ・リリーホワイトの仕掛けでもあるのですが。

そしてエンディングの⑩「40」。この40という数字、日本人にはあまりピンと来ないと思われます。
この曲は旧約聖書詩篇・40篇の第一節から三節を歌ったものだそうです。
どれくらいこの歌(反戦歌)を歌わなければならないのか・・・。「WAR」の締めくくりが、旧約聖書をモチーフとした楽曲であることに、多くの欧米人は感動したのではないでしょうか?

このアルバム、やっぱり色々な意味で大事にしていきたいアルバムですね。その時の自分の年齢に合った聴き方が出来るのかもしれません。
こんなすごいアルバムを作ったU2ですが、その後もメンバーチェンジもせずに、地に足の着いた活動を未だにしています。それって物凄いことですよね。

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