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岡村孝子「Andantino a tempo」(1987)

大学時代にとにかく聴きまくっていた岡村孝子。あみん時代、私は中学生でしたが、それほど彼女等の楽曲に関心もなかったのですが、時を経て、大学時代、その詩とメロディに魅せられていました。特に初期の「夢の樹」「私の中の微風」「Andantino a tempo」「liberte」の4枚のアルバムは、80年代JPOPの名作だと思ってます。今回は実質3枚目のソロアルバム(企画アルバムですが)「Andantino a tempo」をご紹介致します!

本作は、元々は岡村孝子があみん時代の楽曲をカバーした企画アルバムとして、1986年11月にLPとして発売された「Andantino」が原型となってます。その際に収録された楽曲は…。

【A面】
1.未知標
2.あの日の風景
3.Lover My Love
【B面】
1.ごめんね
2.潮の香りの中で
3.あたなへ…

そして翌年2月に彼女のソロ5枚目のシングルとして「夢をあきらめないで」をリリースするに際して、LP・カセットのみで発売されていた「Andantino」に、「夢をあきらめないで」とそのシングルB面の「そよ風の季節」(もともとは沢口靖子に提供していた楽曲のセルフカバー)、「ひとりぼっちの心を抱きしめて」(3枚目のシングル「はぐれそうな天使」のB面)の3曲を追加して、CDとして「Andantino a tempo」として発表されたのが本作なんです。

「Andantino」から「Andantino a tempo」の発表まで、わずか3か月。「Andantino」をわざわざLPとして発表しなくても良かったのでは…と思ってしまいますが、逆にいえばこの時期に急速に彼女の人気が高まったということなのかもしれませんね。それにしてもジャケットが実に可愛い。

①「未知標」はあみんのデビュー曲「待つわ」のB面に収録されていた楽曲。B面扱いされていたのに、名曲。歌詞・メロディともに胸に染みますね。

個人的に大好きな④「ごめんね」。こうした3連系のポップチューンは彼女の得意とするパターンですね。また相変わらず詩が素晴らしい!
この曲については明らかにソロバージョンの方がいいです。ソロバージョンは3連を強調したアップテンポなアレンジですね。

そして素晴らしい⑥「あなたへ…」。最初の企画アルバムでは、この曲がエンディングトラックでした。アップした音源はあみん時代のものと本作のミックス。前半があみん、後半が本作なので、その違いが楽しめます。エンディングの素晴らしいギターソロは今剛でしょうか。ちなみに本作のドラムは元スクエアの長谷部徹さんです。

⑦「そよ風の季節」もいいですね。バラードの岡村さんもいいのですが、こうしたアップテンポの楽曲でもいい曲がいっぱいあります。歌詞はかなりアイドル路線ですが、それはこの曲が沢口靖子のファーストアルバムに提供した楽曲だから。彼女の、斉藤由貴っぽい歌い方が妙に合っていた楽曲ですが、やっぱりこっちのセルフカバーの方がいいですね。

本作のベストトラックの⑨「夢をあきらめないで」。彼女の代表作でもありますね。この曲、彼女自身の失恋体験から、自分を励まそうと思って作った作品。何度となく聴いた筈なのに、聴くたびに歌詞に心を動かされます。
この曲、当時、どれだけの方が励まされたことか…。

当時、女子大生だったあみんの二人。何が何だか分からぬまま、芸能界に放り込まれてしまった中、未だに岡村孝子は現役でい続けているという事実は、容姿とは違い、彼女は相当芯が強かったということでしょうか。最後に私の大好きなあみんの「琥珀色の思い出」をアップしておきます。


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