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John Cougar Mellencamp「Scarecrow」(1985)

私が洋楽を聴き始めた頃、全米でヒットしている楽曲でも日本では未発売というものが結構ありました。確かジョン・クーガーの「Hurts so good」もそうした1曲だったような記憶があります。このアーチストは一体誰だろう・・・。そして「Jack and Diane」のヒット。いかにもアメリカ人が好みそうなアーチストなんですよね。

ジョン・クーガー、今では本名のジョン・メレンキャンプと名乗ってますが、案の定苦労人なんですね。元々は70年代半ばにデヴィッド・ボウイのマネージャーに見出されたことから、なんとグラムロッカーとしてスタートしたとか。全く想像がつきません。
ちなみに「Jack and Diane」のアコギは確かミック・ロンソンらしい(未確認ですが)。デヴィッド・ボウイの下でギターを弾いていた人で、後にモット・ザ・フープルに加入した人物。
ついでに前述した2枚のヒットシングルを収録したアルバム「American Fool」のベースは黒人ベーシストでボビー・コールドウェルのファーストで印象深いプレイをしていたGeorge "Chocolate" Perry。う~ん、ジョン・クーガーとジョージの繋がりは読めません・・・。

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そして今日ご紹介するのが、その大ヒットしたアルバムから2作目の1985年発表の「Scarecrow」。もう久しく聴いてなかったのですが、先日格安でこのアルバムを入手。ジョン・フォガティに通じる魂を感じさせるそのサウンドに、ひととき酔いしれてしまいました。

とくに③「Small Town」、当時よくラジオから流れていた覚えがあります。最初のイントロを聴いただけで、サビのメロディが蘇ってきました。
多くの若者がスモールタウンを飛び出して、大都会を目指しますが、ここで歌われているのはその反対のこと。それでもスモールタウンがいいと・・・。バブリーな80年代にこの曲が歌われていたことに驚きを覚えます。このPVには過去のジョンの写真がプレビューされるシーンがありますが、よく見るとグラムロック時代のジョンの写真もありました。やっぱりグラムしていたんですね。

このアルバムのファーストシングルは「Small Town」ではなく、⑤「Lonely Ol' Night」。全く記憶がありません^^。それでも全米第6位のヒットを記録したとのこと。
ジョンらしい骨太のロックですね。アルバムを通じて言えますが、ドラムのケニー・アルノフのスネアが心地いい。彼はジョン・フォガティやボブ・シーガーともプレイしているようです。

シングル曲ではありませんが、⑦「Justice and Independence '85」のハネるようなリズムがロックしていていいですね。間奏のドラム、パーカッション、それに関わるホーン隊、どれもかっこいいです。

個性的な女性のヴォーカルが絡んでくる⑧「Between a Laugh and a Tear」。この特徴的な女性はリッキー・リー・ジョーンズです。
この2人がなぜ繋がっているのか、持っている雰囲気は何となく似ているので、デュエットに違和感はないのですが、分からないですね。

ちなみにもう1曲、有名ミュージシャンが参加してます。それは当時のボートラ⑫「The Kind of Fella I Am」。この曲にスライドギター奏者としてライ・クーダーが参加してます。私の所有しているCDにはそのクレジットがないんですよね。とても個性的なスライドが堪能出来るのですが、なぜクレジットされていないのか、これまた不思議です。

このアルバムのなかで最大のヒットとなったのが⑪「R.O.C.K. in the U.S.A.」。これは文句なくかっこいい。こんな単純なコード進行なのにすごいパワーを感じます。
この曲ロック賛歌ですが、歌詞に出てくるスターがシブい。フランキー・ライマン、ボビー・フラー、ミッチー・ライダー、ジャッキー・ウィルソン、ヤング・ラスカルズ・・・。プレスリーとかビートルズではありません(USAですしね)。
サビの歌詞、R・O・C・Kをアルファベット読みしていることに初めて気付きました(笑)。

私のなかでは懐かしのエイティーズ・アーチストのジョン・クーガー、いやジョン・メレンキャンプですが、今でも現役バリバリのロックスターなんですね。

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