見出し画像

Carpenters「Carpenters」(1971)

カーペンターズ・サウンドが確立された3rdアルバム


そろそろ鬱陶しい梅雨の季節ですね…。そんなことから雨をテーマとした曲を思い浮かべていたのですが、オールディーズではカスケーズ「悲しき雨音」、CCR「雨をみたかい」、ビートルズ「レイン」辺りが有名でしょうか?
でも私が真っ先に思い浮かんだのの「雨の日と月曜日は」ですね…。

その「Rainydays and Mondays」がトップに収録されたアルバムが、1971年に発表された彼等のサードアルバム「Carpenters」です。セカンド「Close To You」でカーペンターズ・サウンドの土台を築き、本作でついに確立させたと思わせるほどの完成度の高さ。カレンのアルト・ヴォイスとリチャードのアレンジ力が存分に発揮された名盤。私の大好きなハル・ブレイン(Ds)&ジョー・オズボーン(B)のリズム隊も素晴らしい仕事をしております。

その①「Rainydays and Mondays」はソフトロックでは絶対外せないロジャー・ニコルズ&ポール・ウィリアムズが、もともとフィフス・ディメンションのために作った楽曲で、リチャードがそれを聴き、採り上げに至ったもの。
リチャードの完璧なアレンジと、カレンの表現力豊かなヴォーカルが魅力で、♪ Rainy Days and Mondays always get me down…♪ と、歌詞のとおり物憂げな雰囲気を見事に表した作品に仕上がってます。永遠の名曲。

本作にはロジャー・ニコルス&ポール・ウィリアムスが作った楽曲がもう1曲収録されております。それが③「Let Me Be The One」です。
こちらも後に多くのアーチストによってカバーされておりますが、やはりカレンの表現力に勝るバージョンはなかなか存在しないでしょう。ドラマティックな展開をドラムのハル・ブレインが盛り上げてますね。

⑤「For All We Know」も有名な楽曲ですね。こちらは1970年公開の映画「二人の誓い」の挿入歌。
リチャードとカレンはこの映画を観てこの曲を気に入り、カバーしたものですが、完全にカーペンターズの楽曲に仕上げてますね。恐らく多くの方々はこの曲がカーペンターズのオリジナルだと思っているんじゃないでしょうか。リチャードの卓越したアレンジ・コーラスワーク、カレンの表現力豊かなヴォーカルが効いております。

本作品には更に強力な楽曲、⑥「Superstar」も収録されてます。
デラニー&ボニー(作者はレオン・ラッセルとボニー・ブラムレット)の名曲ですが、こちらも今となってはすっかりカーペンターズのバージョンが知られた存在になってしまってます。恐らくデラニー&ボニーとカーペンターズと両方聴き比べてみれば、カーペンターズの素晴らしさがよく分かるのではないでしょうか(もちろんデラニー&ボニーの良さも十分ありますが)。

カレンが名ドラマーであったことを知る人も少なくなってきたと思いますので、最後にカレンの素晴らしいドラミングを観て頂きたく、⑨「Bacharach/David Medley」の映像をアップしておきます。
こちらはタイトル通り、バート・バカラックの素晴らしい楽曲のメドレーです。あまりにも有名なメドレーですが、もし知らないのであれば是非じっくりご堪能下さい。カーペンターズのコーラス・ワーク、演奏力、アレンジ力、どれもが素晴らしい。

前にも書きましたが、私が一番好きなカーペンターズの曲は「青春の輝き」です。この曲の歌詞とメロディが妙に切なくて...。また洋楽を聞き始めて、カーペンターズ・サウンドを知った数ヵ月後、カレンは他界してしまったのですが、そういった悲しい出来事もあり、カーペンターズを聞くと、妙に切ない気持ちになってしまいます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?