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Queen「Jazz」(1978)

クィーンのアルバムをご紹介するのに、最初にこのアルバムを持ってくる方はあまりいらっしゃらないかもしれませんね。              実は中学時代、クィーンのオリジナルアルバムで、最初に購入したアルバム(LP)が本作だったんです。知っている人は知っていると思いますが、例のポスターに感動したことは言うまでもありません(笑)。

でももちろん素晴らしい内容のアルバムなんです。1978年発表のクィーン7枚目のアルバム。

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この一風変わったジャケットは、ブライアンが本作レコーディング前、東ベルリンを訪問した際に、ベルリンの壁にJAZZという単語と何組かの同心円の絵を見つけ、そのイメージこそが自分達のやりたい音楽にマッチするということから生まれたものらしいです。ですからこのアルバムがジャズに偏ったものではないということは言うまでもありません…。

最初にこのアルバムを聴いた多くの方々が①「Mustapha」に度肝を抜かれたことでしょう。フレディの中東趣味がここまで出てくると感心するしかありません。
中東風のフレディのアカペラで始まるこの曲、もちろんそのエキゾチックな曲風が特徴なのはもちろんですが、とにかくスリリングなんですよね。多様で複雑なコーラス、そして曲展開。軽快なロジャーなドラム、エキゾチックなブライアンのギター、唸りを上げるジョンのベース。そのどれもがかっこいい。この時期のクイーンの、一番脂の乗り切った演奏かもしれません。

そして非常に分かりやすいクイーン流ハードロックの②「Fat Bottomed Girls」。仰々しいロジャーのタム回しが大好きなんですが、この曲のロジャーのフィルインはそのタム回しが堪能できます。またこのグラムロックを思わせるブギー調の曲に、ジョンのファンキーなベースがキマッてますね。ジョンのベースが加わると、すごくソウル色を感じさせます。

①に続きフレディ節が爆発した④「Bicycle Race」。こんな曲はクイーンにしか演奏出来ませんよ。そして問題のPV・・・。件のポスターはこのPVを撮ったものです。ちなみにアップしたのはステージの模様を収めたもの。本来のPVは年齢制限が掛けられてました(苦笑)。なのでポスターだけ小さく貼っておきます。

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ここまでの楽曲が特徴的なのですごくノーマルな曲に聴こえてしまう⑤「If You Can't Beat Them」。でもこれも間奏のブライアンのリフなんかかっこいいです。この曲、実は愛すべき人物、ジョンの作品なんですよね。どことなくジョンらしい分かりやすいメロディがいいです。

②以上にハードロックしている⑥「Let Me Entertain You」も彼等の代表曲ですね。そして更にディープ・パープルようにソウルフル感も漂う⑦「Dead On Time」は最後に雷の音も響き渡るハードなサウンド。この雷は実際にレコーディング中に起こったものを収録したもの。

クイーンにしては珍しくフォーキーかつメロディアスな⑧「In Only Seven Days」はもちろんジョンの作品。この曲もいいですね。それにしてもジョンはどうしてこうもいいメロディの楽曲を作るのでしょう。私がポール・ロジャース&クイーンを認めないのは、そんなジョンが不参加だからです。

私はこのアルバムで一番印象深いナンバーは⑫「Don't Stop Me Now」です。中学時代、この曲ばかり聴いてましたね。わずか3分半のナンバーですが、ロックのかっこよさを凝縮したような、クイーンの全てが詰まったナンバーだと思います。
間奏のドラムをバックとしたフレディのアグレッシブなヴォーカルとコーラス、それに続くブライアンの独特の音色のギターソロ。何も言うことはございません・・・。そして往年のクィーンファンからしたら、突然のクィーンブームと映画「ボヘミアン・ラプソディ」、あの映画の最後に流れた楽曲もこの「Don't Stop Me Now」でした。

この後クイーンは「Live Killers」(1979)、「The Game」 (1980)と名盤を発表し続けますが、やはり70年代最後を飾るオリジナルアルバムである本作は、過去のクイーンのアルバムのなかでも最も魅力的な楽曲が詰まったアルバムだと思います。

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