好きに生きる勇気
凪良ゆう著「汝、星のごとく」
何度も読み返して、大切な言葉を沢山貰った一冊。本屋大賞を受賞して、より多くの人に届くと思うととても嬉しい。
瀬戸内地方の小さな島で出逢った暁美と櫂。生まれながらに背負ったものの重さ、狭く偏った地方ならではの世間体、沢山の壁を不器用ながらに乗り越えて生きる2人の強さが描かれている。
私は読了後、物語の登場人物の一人、瞳子さんが放った言葉がずっと心の中に残って離れなかった。
初めてこの文章に触れた時、ドキッとした。すぐ近くで、自分に言われた気がした。
瞳子さんは、物語の主人公、暁美の父と不倫している。暁美の家庭を崩壊させている当事者で、ここだけ切り取れば多くの人に批難の目を向けられる人だろう。だが暁美は、批難の気持ちも持ち合わせつつ、誰にも依存せず、自分の中の正しさから逃げずに素直に従って生きる瞳子さんに、憧れの気持ちも抱くのである。
自分の欲望に素直に、周りを気にせず真っ直ぐに。やりたいことを、思うがままに。そんな選択肢を選ぶ勇気が、自分にはあまりにもない気がする。
大学を卒業して、社会人3年目。25歳になって、少しずつ自分の幸せやこれから先の人生を考え始めた時に、一歩踏み出して考えなければいけないことが増えている。
瞳子さんの放つ言葉の強さに、真っ直ぐ胸を貫かれる。
誰の目を気にして、誰に褒められたくて生きるのか。自分にとっての幸せは何なのか。
色んなことのバランスをとりながらではあるけれど、譲れないものを簡単に譲らずに、自分の軸を大切に生きていきたい。
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